音楽番組に関する評論を書いてきたこのページだが、N響アワーを廃止するという暴挙をNHKが冒してしまったがために、愕然としかつガッカリし、かなり書く気をなくした日々があった。NHKからは、代わりにこんな番組があるから・・・と主としてBSプレミアムでやっていた番組の案内が回答代わりに来たが、それらでは代わりになり得ないからこそ、クレームをつけたのだ。多くのN響ファンから、同様のクレームが行ったはずだ。
案の定、代わりに始まった「ららら」などと言う番組は、愚にもつかない内容で収支している。たまに、余りにも他局の番組が下らなさすぎるときは見てみたりすることもあるのだが、見ているうちにハラが立ってきて、続けて見る気を失ってしまうものだった。
そもそも、MC2人が二人とも、持ち味を出せていない。職業としての特技を活かせていない。折角萩原麻未という逸材をゲストに招きながら、「月の光」だけを演奏させ、しかも加羽沢美濃との弾き比べなど、幾らでも職業としてのMCの特技を活かすこともしない。
このことは、2012年7月25日付けの記事に書いた。
断っておくが、私は、加羽沢美濃って好きだし、評価もしている。手許にあるアルバムを紹介しておく。通常こうした編曲モノには食指を動かされないのだが、彼女の編曲には光るものがあるのだ。
で、MCという特技のもう一方として、2012年8月5日の放送では、「青少年のための管弦楽入門」を採り上げ、そのナレーションを石田衣良が作ったという話になり、アホかと思った。こんなにシャシャり出るのを誰も評価しないっつーの。
これ、もともとブリテンがスコアに説明書きをつけていて、それに沿った内容で単純な日本語訳を施すべきものである。さもなくば、ナレーションなしの演奏とするとか。
名曲探偵アマデウスに出ていた黒川芽依がナレーションを担当するからというので、彼女がこれをどう料理するか、という関心だけで我慢して聴いたが、新作のナレーション自体が極めてつまらないものだったので、ヤッパリナーと改めて思ったのである。
ナレーションなしの演奏としては、例えば作曲者自身による演奏がある。
この中で唯一評価してもいいかと感じたのは、2012年7月22日放送で、「メリーウィドウ」をやったこと。抜粋だったが、かなりの部分をやった。
もちろん、このワルツもやった。
ここに挙げるのは私がDTMで制作したもの。最初の部分は、愛の語らいをする部分。途中でハープが入ってややテンポが速くなる箇所が、踊り出すシーンである。
これ、単純に楽譜通り入れただけなのだが、演奏スタイルをウィンナワルツスタイルと指定するだけで、結構「らしく」できてしまうのがfinaleのスゴイ処だ。
尚、この演奏は途中でリピートを入れた。
http://tkdainashi.music.coocan.jp/lehar/merry_widow_walz.mp3
ただ、ゲストに幸田浩子を呼んでいたのに、ロクに話をさせなかったのが怪しからん。
どういう規準でゲストを迎えているのか。
どんな企画でどんな番組にしたいのか。
どんな台本を書いているのか。
もう、アホらしくて、その後は見ていない。
こうなると朝6時からBSブレミアムでやっている番組だけが、「題名のない音楽会」を除いたときの、音楽ネタ仕入れの番組ということになる。
ところが、この時間帯のこの番組だが、改編によって番組の名称がコロコロ変り、しかも3月頃に変ったので、ワケが分からなくなった。ようやく最近になって、ウィークデーにやっているのが「クラシック倶楽部」で、日曜のは「特選オーケストラライブ」らしい、と理解したものの、それまでにやつていた番組について、番組内容や評論のためのメモの整理が付かない状態でこんなことが起こったので、相当に書く気が失せた。
それでも、折角メモしていたので、少しは活かして記事化するつもりだ。
実は2011年秋頃からのメモが残っていたのだが、自分でも内容が思い出せなくなっているし、書こうとしていた内容が古くなったり、また時間をおいて眺めてみると書く価値がないと判断できたりするものも多く、2012年分についても同様の規準が適用できるものは、この際思い切って破棄することとした。
もともと、朝6時からのこれらの番組、記事化することを前提としていなかったし、朝一番に聴くにはふさわしくない曲てせあることも多いから、録画であとで見ることが多い。あとで見るというのが、ついつい億劫となっていったこともあって、溜まってしまったのである。
しかし、中には、是非ともこのコンサートについては書いておきたい、という回もあった。一時、「題名のない音楽会」に関する記事のメモをひどく溜めてしまってチンタラと「落ち穂拾い」を続けていたことがあるが、その類で、この、現在朝6時にやっている番組についての「落ち穂拾い」をしばらく断続的に進めることとしたい。
上記のように番組名が変ったりしたこともあったので、記事化にあたって、番組名は正確でないかも知れない。
不幸なことに、N響アワーについて書くことが永遠になくなってしまったので、こうしたことも可能となるわけである。