「なんてったって」シリーズの一環として、ヴィオラを採りあげた。題して「なんてったってヴィオラ」。
日本のオケを代表する3人のヴィオラ奏者と佐渡、そして青島によるトーク。
一般の人々にヴィオラという楽器が如何に知られていないか、と言った観点からの自虐トークが面白かった。3曲演奏したが、2曲は初めて聴く曲。1曲は「美しきロスマリン」。
元々ヴァイオリンをやっていて途中からヴィオラに変更した人ばかりだそうだ。変更したあとは、オケの響き全体を支えているという誇りと、調和した音が出たときの悦びで、どんどん好きになっていった由。
色々と興味深い話や演奏で、評点5とする。
ただ、欲を言えば、ヴァイオリンとヴィオラの違いについて、5度低いことによって、さらに1オクターブ低いチェロと合うことも多くなることや、音部記号もヴァイオリンと変わることなどにも触れて欲しかった。
私はヴィオラという楽器に、さほど疎くない方だと思う。
幼い頃にヴァイオリンを習っていた。メインの先生は関西交響楽団(現在の大フィル)の女性ヴァイオリン奏者で、そのご主人が同じオーケストラのヴィオラ奏者だった。
私の中学受験勉強と、お2人とも日本フィルに転勤されたことからレッスンはそれっきりになってしまったのだが、それだけに、その後起こった日フィルの労働問題に関する紛争に心を痛めたし、渡辺曉雄を監督に迎えて再スタートの狼煙を上げたときの「復活」の演奏は、東京にいたこともあって駆けつけ、大きな感動を得ることができたものである。
さて、ヴィオラの独奏で始まる交響曲というものがあって、その好例としてよいと考える曲。この半年で一番繰り返して聴いた曲てもあるのだが、その例を挙げておきたい。
15小節に及ぶ長々とした前奏がヴィオラ独奏というこの曲は、マーラーの交響曲第10番。
http://tkdainashi.music.coocan.jp/mahler/mahler_sym10.mp3
お時間があれば、この曲についてはホームページ中の記事と、2015年4月13日付けの記事を参照下さい。
第1楽章しか認めないというバーンスタイン盤と、補筆完成版としてはかなりの完成度となったインバル盤とハーディング盤の紹介も、再掲しておく。