カセットやレコードを整理していて再発見(10) カナダからの手紙
平尾昌晃と畑中葉子によるデュエット。
畑中葉子は、このレコードを出してすぐに、イメージダウンになるような案件が発生し、その後の芸能生活では余り活躍した記憶がない。
しかし、この曲は発売当初から高く評価していて、そのためレコードもずっと持っていた。
レコードを処分するにあたり、自分でCD化する手間と時間を少しでも省きたいということと、音が少しでも良いものを手許に残したいので、CD化されたものを探した。
結果、「ベストヒット!デュエット歌謡」というCDが見つかった。
この曲を含めて16曲入っていて、私が現役当時、呑みに連れていってもらった際に会社仲間や上司が歌っていた曲もある。
しかし呑みに行った際に彼らの歌によって聞かされた曲の殆ど全てが、デュエットとは言っても単に男女が同じフシを歌うものであって、緊張感も面白さも感じないシロモノだったと記憶する。
私が「カナダからの手紙」を発売当初から高く評価し、現在に至っているのは、当時余りなかったはずの、男と女が別のフシを歌い、それも女がメインのメロディー、男が楽譜上ではそれより高いメロディーで歌う・・・実音としては男が1オクターブ低いので、得も言われぬ効果を発揮し、それが緊張感と喜びをもたらすためだ。
実際、当時から現在に至るまで、飲み屋でこれを歌うのを聴いたことが殆どない。
ならば・・・ということで私は密かに練習を積み、2度ほど機会があり・・・相手がいなければ不可能なので・・・1回だけは何とか成功した。他の人のを聴いたことは一切ない。自分で言うのも気がひけるが、「おっ!」という驚いた反応があったし、他の人の例を知らないのは、それだけ難しい曲なのだろうと思う。
しかし、本当はそうでもなかったようなのだ。単に男女が同じフシを・・・というのは私の思い込みだったかも知れない。
というのは、「カナダからの手紙」1曲が欲しくてこのCDを入手したので、思いがけず他の曲も何曲か聴いてみると、別のフシを男女が歌っている曲が意外に多いことに気付かされたのだ。
殆ど単なるユニゾンで終始する曲もないわけではないが、限定された部分では結構別のフシを歌っているのだ。
ということは、単に男女が同じフシを歌うものばかり聞かされてきたのは、同僚や上司の、音楽的センスの問題だったのかも知れない。実際、別々のフシを歌って面白い効果を挙げていたことが全くなかったのだから。