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2014年7月

2014年7月 3日 (木)

題名のない音楽会 2014年6月29日

50周年記念企画の第6弾ということで、ヴァイオリンのヴェンゲーロフをゲストに迎えて、スーパーキッズオーケストラとのQ&A、レッスン、そして彼の演奏という内容。

幼いときから、こうした大家にレッスンしてもらうなんて、何と言う素晴らしい体験をしているのだろう・・・と羨ましく思い、また指導通りにすぐ修正してたちまち向上していくスーパーキッズのカンの良さに感心した。

ただ、もっとレッスンのコーナーを増やして欲しかったので5点満点で4点。

ヴェンゲーロフのヴァイオリンが巧いということは以前から知っているが、巧すぎてしかし、何も残らないということを以前から感じているためである。(関連記事はこちら)

この記事ではショスタコーヴィチのV協1番の推薦盤を五嶋みどりとしたが、今ならムローヴァかな。
本来は庄司紗矢香盤を推薦したかったのだが、オケが悪すぎる。アマゾン内での評判も悪い。
最近ムローヴァの来日時の演奏を見たが、スッカリおばさんになってしまった。けど演奏は凄かった!

2014年7月 1日 (火)

「眠れる森の美女」 本当の主人公は誰?

アンジェリーナ・ジョリーが、近作の「マレヒィセント」を今月(2014年7月)に日本公開するとかで、先月から紹介されたり出演したりしている。
ディズニーアニメの「眠れる森の美女」を、魔女の側から捉え直したストーリーだそうだ。

これに伴って原作(?)の「眠れる森の美女」のDVD等も売り上げアップとなるのだろう。実に商売上手な会社だ。

しかし、ちょっと待って欲しい。このアニメ、明らかにチャイコフスキーのバレエ音楽「眠れる森の美女」を原作としているのだが、実は原作とは大きくかけ離れた改作であることを知ってからでも遅くないだろう。
私自身、幼い頃にディズニー・アニメで「眠れる森の美女」を知り、長じて音楽の組曲で幾つかの曲を知り、中に含まれる「ワルツ」にも親しんだ。アニメの中ではオーロラ姫が口ずさむ曲であり、組曲を聴いても、オーロラの曲だとばかり思っていた。

このため、AVが普及し、我が家にもハイファイビデオやLDを導入しチャイコフスキーの原曲のバレエを見る機会ができると、大いに面食らったものである。このワルツ、オーロラの曲なんかではない。16歳の誕生日に村人が踊る曲なのだが、失態を役人に咎められた者が、国王夫妻の許しを得て喜んで踊るのであって、国王夫妻への感謝の気持ちの方が強い。そして出てくるのはその場面だけであり、オーロラが歌うことは決してない。

そして、何度も見聴きしているうちに、一見オーロラが主人公だと思われるこの音楽だが、どうもそうではないのではないかと感じるようになっていった。

私が思うに、本当の主人公はリラの精である。

だって、こんなに魅力的な曲を与えられているのだ。組曲の序曲となっている曲の始めの方の騒がしい部分は魔女のテーマだが、続く殆どの部分、やさしい主題が出てきて発展して行く。これこそリラの精のテーマなのだ。

そして、リラの精のテーマは、全幕終了直前にも登場する。

また、「パノラマ」という、リラの精が王子を「眠れる森」に連れて行くシーンで流れる曲。私がこの組曲の中で一番好きな曲なのだが、スコアを見ながら打ち込んでいると、序奏の中のリラの精のテーマと、曲こそ違え、雰囲気は似ているし、驚くほどオーケストレーションが似ているのである。第2のリラの精のテーマと言っていいのではないか。

そして、演出にもよるのだろうが、私がLDで観ていたボリショイ劇場版。リラの精の方が明らかに美人で巧く、存在感がある。見ていて、殆ど惚れてしまった。
オーロラは下手だし、かなり残念な感じ。
LD版と同じと推定されるDVDをご紹介するので、機会があれば是非。このジャケットでフィーチャーしてるのはオーロラだが、私の持っていたLDのジャケットは、リラの精をフィーチャーしていて、「パノラマ」のシーンだった。

ディズニーアニメに出てくるリラの精は、おばあちゃんの姿をしているので、バレエを知った者としては相当な違和感を感じる。
ストーリーも、原作では100年の眠りにつくのだが、アニメでは僅か一夜だけ。

こうしてみると、ディズニーは何を考えてあんなアニメを世に出したのか疑問に思えてしまう。原作のストーリーのままでも良かったのに。幾つかの例が他にもあるのだが、彼は本当の処、クラシック音楽というものを分かっていなかったのではないだろうか。

・・・・とまあ、こういうアニメをモトとする映画、詰まる処、あくまでもアンジェリーナ・ジョリーを見に行く映画なのでしょうな。
いい加減な改作によるアニメを「原作」にすること自体、既に無意味だと私は考えるので。

尚、「眠れる森の美女」の組曲はチャイコフスキー自身が構成したものではないが、親しい人と構想は話し合っていて、「パノラマ」は含めるように主張していたそうだ。

さらに付言すると、このバレエの初演は現在のマリインスキー劇場だが、現在となっては、初演時の演出に近いのはボリショイ劇場だそうだ。
私はマリインスキー劇場のも見たが、物足りなさを感じた。下掲のDVDだ。表記は「キーロフバレエ」となっているが同じ団体。

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