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2012年11月23日 (金)

題名のない音楽会 2012年11月18日 ベートーヴェン 第5交響曲

「名曲百選」シリーズの一環として、ベートーヴェンの第5交響曲、通称「運命」を採り上げた。

日本では「ジャジャジャジャーン」として有名だが、他の国ではどいう音として覚えられているのか、また「運命」という題名がどうなっているかを、出演した兵庫芸術文化センター管弦楽団(以下、PACと表記)のメンバーに聞く、というコーナーがあった。

率直に言って、聞こえかたも「運命」の題名に込められたとされる思いも、聞いたメンバーの中では、余り日本と差異のないものだった。

中でユニークだったし興味深かったのは、アメリカ人の団員が、この曲をディズニーの「ファンタジア」で知って親しんだということ。蝶が、嵐に翻弄されながら、最後には安全な処に辿り着くという映像が付けられた部分だそうだ。
私はこの「ファンタジア」について、「魔法使いの弟子」の箇所を除くと殆ど価値のないものと考えていて、通して見たのは1回か2回に過ぎないが、そう言えばそんな部分があったような記憶がある。
アメリカ人らしいなと思うと同時に、「ファンタジア」によってこの曲がイメージ付けられて育ったとすると、解釈や演奏にどんな影響があるのかなとも思いを馳せた。
ここに挙げたのはブルーレイ盤。

久しぶりにこの曲を聴いた。
第1楽章を全部やったので、それだけで終るのかと思ったら、第3楽章の終りの部分から第4楽章に推移して行く箇所、そして第4楽章・・・全部か一部か、ボーっと聴いていたのでよく分からなかったが・・・も演奏したのは良かった。

演奏も良かったと言える。
PACって、こうして改めて聴くと結構レベルが高いのだと分かる。
佐渡の指揮だったが、「運命の苛酷さに耐え、遂には勝利の栄光に辿り着く」みたいな、今となっては比較的ストレートで分かりやすいとも言える、こうした曲の方が、ショスタコーヴィチのように、ひねくれた曲想・隠されたメッセージ・苦難の作曲経緯と演奏史・・・などに包まれ、それらを知らないと深い演奏ができないと言ったものよりも彼には合うのかも知れない。

ここに挙げたのは、ベルリン・フィルを振ることになったときの演奏の映像のBD盤。これには収録されていないが当時放送されたリハーサルや本番の映像により、ショスタコーヴィチにはそうしたものが求められる・・・とくにベルリン・フィルみたいな超一流オケに対しては・・・ということを、見ている私などは痛感させられたものだ。

私は、この曲をはじめベートーヴェンの曲が、「逆境から栄光へ」みたいな側面だけではないということを、強調しておきたい。トスカニーニの指揮による演奏を聴くと、とくにそう感じるはずだ。
昔、最初にこの演奏を聴いたときには、「何とセカセカした演奏だろう」と感じたのだが、聴き慣れてくると、この演奏はこの演奏で、第5交響曲の側面を的確に備えた演奏だと分かってくる。

トスカニーニの演奏の凄さを感じてから書いた記事を、「題名のない音楽館」内の「トスカニーニを聴こう ! 」に掲載しているのでお立ち寄りを・・・。

最後にもう1点指摘しておく。
折角第1楽章だけでなく第3楽章や第4楽章も演奏したのだから、全曲の殆どが「ダダダダーン」のリズムできているということの説明が欲しかった。
「題名のない音楽会」が、余りにもツッコミが少ないと思う点でもある。こうしたことは、「N響アワー」が廃止され「名曲探偵アマデウス」がなくなってしまっている現在、やはり「題名のない音楽会」で担って欲しいものだ。

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