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2012年10月18日 (木)

題名のない音楽会 2012年10月7日 天童よしみと森麻季 美しい日本のうた

天童よしみと森麻季に、普段余りやっていない曲に挑戦してもらおうという企画。

4曲を、1曲ずつ交互に歌ったあと、最後の5曲めで、デュエット形式で歌うという内容。アレンジは、服部克久と前田憲男が、この日のために新しく書いたものだとの由。

アレンジャーも歌い手も私の好きな面々である。ただ、アレンジャーとしての才能の光は前田憲男が抜きんでて上だと思っているし、歌い手は、森麻季大好きという立場だ。

順に聴き進んでいるうちに、森麻季は、大好きというのを超えて、演歌歌手とはレベルが違うということを見せつけるばかりとなった。天童よしみは中田喜直の曲などに初めて取り組んだとのことだが、サスガと思う反面、聴いていると程なく、それ以上聴き続けるのが辛くなった。

森麻季は、初めてマイクを持って歌うことに挑戦し、「からたちの花」と野上彰作曲の「落葉松(からまつ)」を歌ったが、後者が特に良かった。アコーディオンをフィーチャーしたアレンジも良かった。服部克久のアレンジによるものだが、彼のアレンジは国籍不明ないしシャンソン風の感じを出すのにうってつけだ。

デュエットによる最後の曲は「花」。「花」は花でも滝廉太郎作曲の「花」(春のうららの隅田川・・・)ではなく、嘉納昌吉作曲の方だ。最近よく耳にするが、私などは「花」と言えば滝廉太郎のものを思い出す。

ついでに言うと、Wikipediaによれば嘉納はバリバリの反戦活動家だそうで、その線から私が連想してしまうのは ピーター・ホール アンド マリーによる「Where Have All The Flowers Gone」である。「花はどこへ行ったの」という邦題で、日本でも多くのフォークシンガーによってカバーされた。
またついでに言うと、ユーチューブで聴き比べた処、嘉納自身による歌唱よりも、石嶺聡子による歌唱の方が、方言がキツクなく聞きやすいし歌そのものも巧い。

今回の番組での天童と森麻季による歌は、それ以上に素晴しかったのだが、前田憲男によるアレンジも冴えていたし、むしろ森麻季の巧さの方が目立った。

誤解なきように付言しておくが、私は決して天童よしみをけなしたくはない。むしろ演歌の分野の第一人者として認めるし、美空ひばり以来だと思っている。
私は美空ひばりが嫌いだが・・・そのことに関する記事を、書こう書こうと思いつつ何年も杉だのだが・・・美空ひばりの声に含まれる一種独特の「品のなさ」を感じることなく、歌の良さだけを抽出したように聴けるのが天童よしみのアルバムだと思っていて、ここに挙げるものと全く同じというわけではないが、現に手許にある。

思い起こしてみると、「題名のない音楽会」では、黛時代から、このように分野の違う歌い手に初めてのジャンルに挑戦してもらうという企画があった。
上述のように私は美空ひばりが嫌いだが、彼女がオペラのアリアに挑戦した会があった。嫌いだし、そのときもオペラの歌い方ではなかったが、独特の巧さには感心させられたものである。登場した歌い手は、美空ひばりだけだった。

今回の企画も、天童よしみと森麻季を別々の会に別々の企画で登場させた方が良かったりではないだうか。最初に触れた通り、4曲は交互に単独歌唱で進めたのだし、余り2人並べて出場してもらう意味もなかったのではないか。

・・・とここまで書いてきて気がついたのだが、この11月に、森麻季による日本の歌が発売されるらしい。予約受付しているみたいなのでどうぞ。
私も買う・・・かも知れないが未定。ちょっとこの処物入りなので・・・。

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