題名のない音楽会 2012年5月13日 なんてったってドビュッシー
今年はドビュッシーの生誕150年にあたる由で、その特集という内容。
オケの曲は採り上げず、ピアノ及び歌曲を紹介した。
ゲストとして、ドビュッシーのピアノ曲をメインのレパートリーとしている藤井一興、エッセイシストでピアニストでもあり、ドビュッシーもよく採り上げる青柳いずみこ、AKB48のメンバーで現役音大生の松井咲子、ソプラノの吉原圭子を呼んだ。
採り上げた曲と演奏は次の通り。
- 「亜麻色の髪の乙女」を藤井一興
- 「月の光」抜粋を藤井一興
- 歌曲の「月の光」を吉原圭子と青柳いずみこ
- 歌曲「ピエロ」を同上
- 「子供の領分」の「小さな羊飼い」を松井咲子
- 「花火」抜粋を藤井一興
歌曲版の「月の光」という曲の存在は、初めて知った。ピアノ版と全く違う曲なので驚いた。また、AKB48のメンバーの中に現役の音大生がいる、ということも初めて知った。
というわけで、まあ収穫のあった方に属するが、次の2点を指摘しておきたい。
- まず、短い曲ばかりだったのに、殆どが抜粋だったこと。
歌曲は2曲とも初めて聴いたので分からないが、ピアノ曲は、上記に「抜粋」と書いている曲に加え、番組内でも番組のホームページでも「抜粋」とは書いていないが、「亜麻色の髪の乙女」も少し飛ばした。全て抜粋だというわけだ。
これ位の曲、なぜ全曲やらないのか。 - AKBの松井咲子。
今ののコとしては「子」がつく、正統的な名前で、この点だけは好感が持てたが、ピアノは今一。
きっちり弾いてはいるが、音がモゴモゴした感じだし、表情づけが平板に過ぎた。
同じようなメロディーが何度も出てくるが、殆ど同じように弾いた。楽譜が手許にないので確実なことは言えないが、楽譜の指示がどうであっても、普通は少しずつ表情を変えて演奏すると思う。
それによって曲に陰影が加わり、子供向けの曲としてだけではなく、幅広く愛聴される曲となったはずだ。
もう1点。これはこの番組の限界なのかも知れないが、しかし「その気」さえあれば出来るはずだと思うので敢えて書くが、これらの音楽が、どのように新しいのか、と言う説明が欲しい。
番組内で、ドビュッシーによってアジアに対する目が広がり、クラシック音楽が大きく変って行くことになった、という説明をしていたが、それは具体的にはどう変ったというのか。
音階や和声がどう変ったのか。
N響アワーは、こうしたことを知ることのできる貴重な番組だった。現代音楽の作曲家として、ドビュッシーをどう見ているのか、どのように音階や和声が新しくなったのか、など、それこそ西村にせよ池辺にせよ、ピアノを叩きながら説明してくれたのではないだろうか。
「ドビュッシー生誕150年」ということ自体、ドビュッシーをメインに聴いているわけでもないし音楽雑誌など購読していない私は、この番組で初めて知ったのだ。私だけではないはずだ。
なぜあんな大切な番組を終了させてしまったのか。
返す返すも、とんでもない暴挙・愚挙をしでかしたものである。
・・・と書いていたら、またハラが立ってきた。この件についてのNHKの対応、私は絶対に許さない。
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