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2012年4月 3日 (火)

題名のない音楽会 2011年10月23日 リスト生誕200年

2011年の落ち穂拾い、もう少し続きます。

この日の番組は、リスト生誕100年特集ということで、「ケタ違いの成功を収めた3つの理由」と題して行われた。
「ケタ違いの成功」とは、番組によると、ピアノの天才→宮廷楽長→聖職者 と立場が変っても何れも成功したこと、そして教育者としても多くの貢献をしたということだった。

そして3つの成功として番組で挙げていたのは

  1. 具体的な目標を持つこと
    実は大変な努力家で、パガニーニのヴァイオリン演奏を聴いたとき衝撃を受け、自分も彼のようなピアニストになりたい、自分はピアノのパガニーニになるのだと決心し、それを実現した。
  2. 良いと思ったことは貪欲に吸収した
    「交響詩」というジャンルはリストが始めたと思われているが、実は、モトはフランクが始めた形式で、それを確立したのがリストである。
    また、ピアノ協奏曲第1番は、ベルリオーズの「幻想交響曲」をピアノで編曲しているうちに生み出された。
  3. 人を大切にする
    ハンガリーで洪水があったとき、無償で演奏会を開いた。言わば、「義援金コンサート」の草分けである。
    また、指名手配者となっていたワーグナーをかくまったり、ベルリオーズがパリで活躍できるようにセッティングした。

ということである。
交響詩のモトがフランクだとは知らなかったが、「幻想交響曲」の編曲をしているうちにピアノ協奏曲が・・・というクダリは全く分からなかった。ピアノ協奏曲の一部だけ聴かせたが、幻想交響曲のどの辺りの影響があるか、ということが全く分からなかった。これを言うならば、譜面を見せるなり、演奏中にテロップで類似している部分はここ・・・みたいなことを流すなりすべきだ。この辺が、この番組のツメの甘い点だ。

また、こうして3点挙げていたが、何れもコジツケに過ぎないと考える。

さて、ピアノ協奏曲の他には、有名なピアノ曲3曲のメドレーと、ハンバリー狂詩曲第2番オーケストラ版の抜粋が演奏された。
しかし、何れも大きな不満を残すものだった。

まずピアノ3曲は、愛の夢第3番、メフィストワルツ第1番、ラ・カンパネラだったが、何れも短すぎで、全く「リストを聴いた」という満足感とはほど遠いものだった。どれか1曲でいいから、全曲演奏すべきだった。

そしてハンガリー狂詩曲。
佐渡曰く、オーケストラ版を聴いたあとでピアノ版を聴くと、凄さがハッキリ分かるとのことだったが、それならば双方を聴き比べる、というのがあって然るべきだ。どちらかの版がより長めの演奏となってもいい。
いや、私はむしろピアノ版だけでも良いと思っている。オーケストラ版は余り評価しないが、ピアノで聴くと確かにスゴイと思うようになって久しい。

で、オーケストラ版だが、指揮が金聖響。
これが実に何とも退屈な、つまらない演奏だったのである。
この指揮者の演奏がつまらない、と思っている人、本当は結構いるのではないだろうか。
娘がいつの間にかクラシックに親しみ、コンサートにも行くようになっているのだが、あるとき、金聖響の演奏会に行って、凄くつまらなかったと言っていた。そんな話、それまでには全然したことがなかったのに、である。親娘だから好みが似ている、ということではないと思う。ある程度以上の聴く耳を持っていたら、分かるはずなのだ。

何がこの演奏のつまらない処か、一点だけ言うと、とにかく音楽が一直線に過ぎるのだ。一直線にテンポを上げて行くだけの演奏なのだ。間違いではないだろうが、速くなって行きながらも、もっとその中で緩急を付けていい。いやらしい程にクドい演奏でいい。
私のイメージだと、終りの方など、ハチャメチャに近いものとなっていい。「リストのピアニズムには狂気がある」と中村紘子が言っていたことがあるが(実に正鵠を得た指摘!)、その、ある種の「狂気」が、オーケストラ編曲版でも少しは反映されていないと・・・。

さて、今回の企画全体についてである。

生誕200年ということであれば、1回で終るというのは少なすぎるのではないか。N響アワーも1回だけで終ってしまったのと軌を一にするように、こっちも1回だけとは。

で、私は、リストは何と言ってもピアノ曲だと思うので、ピアノ曲をもっと採り上げて欲しかったし、交響詩も、「前奏曲」だけでいいから、じっくり採り上げるべき曲のはずだ。
山本直純が「オーケストラがやってきた」という番組をやっていたとき、この曲を採り上げて、「実は1つだけの旋律でできている」と説明していたことを思い出す。
これ、気がつきにくいけど、そう言われてみたら、第1のテーマと第2のテーマ、確かに似ていると言えば似ているなあ、と感心したものである。

さて、扱って欲しかった曲も含め、幾つかのオススメ盤を。

「前奏曲」がバーンスタイン盤とフルトヴェングラー盤。双方とも鬼気迫る演奏と言っていいだろう。
ビアノソナタがアルゲリッチ盤とユジャ・ワン盤。甲乙つけがたいが、録音の良さではユジャ・ワン。
そして「ラ・カンパネラ」が入った小山実稚恵のアンコール曲集。ラ・カンパネラという曲の本当の凄さを知りたければ、間違ってもフジ子ヘミングなどを選んではいけない。あれは買ってはいけない。
また、ベストではなくベスト一歩手前という処だが、ピアノ版の「ハンガリー狂詩曲第2番」が入ったボレット盤である。ハンガリー狂詩曲はシフラが良いと言われた時期があったが、私は評価しない。

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