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2012年2月26日 (日)

特選オーケストララトブ 兵庫芸術文化センター管弦楽団

牛牛(ニュウ・ニュウ)ってピアニスト、結構スゴイのかも。

兵庫芸術文化センター(以下、PAC)の、2011年9月11日の演奏会については2月22日付け記事で既に触れた通り2月19日の「オーケストラの森」で放送されたが、そのコンサートの全てが2012年2月26日に放送された。

ここで、「オーケストラの森」ではカットされていた、牛牛の演奏を聴くこととなった。

実は殆ど期待していなかった。そもそも若くしてデビューしたとかで注目され云々ということについて、私は殆ど信用しない。そんなこと、この分野では「よくある話」だからである。また、中国人であることも、私にとって進んで聴きたいとは思わなかった要素だ。ユジャ・ワンは例外としているが、テクニックだけで内容は空疎、というピアニストが多いからだ。
「題名のない音楽会」の2012年1月15日放送分にも牛牛は登場したので、1月19日付けの記事でも、以上のような主旨のことを書いた

だからこの放送も、「オーケストラの森」で殆ど聴いたことを考えると、録画ならば、即、見ずに消去したはずだ。
処が、行き掛かり上、放送と同時に見ることとなってしまい、結果として半ば強制的に(?)聴くハメとなったのである。

処が、これが結構良かったのだ。
ショスタコーヴィチの協奏曲第1番と、ラフマニノフのパガニーニ・ラプソディを演奏した。ショスタコーヴィチは、上記の「題名のない音楽会」で後半だけ演奏したのを聴いていて、それなりに評価はしたのだが、全曲を改めて聴き、結構いいかも知れないと思った。

パガニーニラプソディは、彼の演奏では初めて聴いた。
これも、期待以上にいいかも、と、途中までは思っていた。
ラフマニノフのこうした曲、プロのピアニストでも最初はどう弾いたらいいのか戸惑う、という話を最近聞いたことがある。そもそも、右手と左手をどう分けて弾くのかということ自体、判断し難いのだそうである。私が考えるに、さらにそれを、指の力の入れ方やタッチの微妙な加減を、10本の指の全てについて注意深く行わないと音楽にならない、ときている。その辺りのテクニックはかなり優れていると見たし、私がこの曲に描くイメージに近いまま進んで行った。

そして、あの第18変奏になり、引き続き私のイメージは壊されることなく・・・泣かされるほど凄くはなかったが、それは仕方ない・・・第19変奏からコーダへ進んで行ったら、途端に乱れ始めてしまった。で、曲が終ったら「ああ、まだまだやなー」という感想が残ってしまったのだ。

これ、結局は曲の性質そのものと深い関係があるのではないだろうか。

ショスタコーヴィチの協奏曲は、ショスタコーヴィチとしてはかなり明るく無邪気な雰囲気に包まれているにの対し、ラフマニノフのパガニーニ・ラプソディというのは、例の第18変奏で少し明かりが見えはするものの、基本的には決してノー天気な曲というわけではないからだ。
パガニーニラプソディは、結構凝ったつくりの変奏曲であり、第18変奏も、初めは分かりにくいが、歴とした変奏曲のキマリによって作られているのだ。そして、曲全体としては、私には薄暗いイメージが漂う感じに聞こえる。第18変奏も、光を一瞬浴びるようではあるが、晴天とはほど遠い。こうした陰影を表現できるのは、まだ14歳だから無理、ということではなく、才能の一部と言ってよい。それが言い過ぎというのであれば、曲の向き不向きということのなる。
(ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番については、私の「題名のない音楽館」内の「ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番」の稿を、また「パガニーニラプソディ」については「パガニーニラプソディ」の稿をご参照ください)

早い話が、牛牛にはショスタコーヴィチの協奏曲の方が向いている、ということである。ラフマニノフは、まだまだ。
で、ここでは私のリファレンスとして、上記のページでも挙げたが、アルゲリッチによるショスタコーヴィチのみ挙げておく。ラフマニノフのパガニーニ・ラプソディは、意外と最善のものがないのだ。デュトワ指揮のN響とやったときのユジャ・ワンが今まで聴いた中の最善だったが、マーラー室内管弦楽団と出したCDが、つまらない出来だったのでオススメとしては躊躇するので。

パガニーニ・ラプソディのあとの曲は、ファリャの「三角帽子」。この曲については、上記の2月22日付け記事で書いたことにつけ加えることはないので、ここでは省略する。

プログラム全てを通して聴いて見てみたが、曲の順に従ってオケの規模(人数)が次第に大きくなって行くのが面白かった。
このときの演奏会は、9月に団員のかなりの人数が入れ替わったこともあり、ファンに対して、順に「お披露目」をする、という意味も込めたプログラミングだったのかも知れない。

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中国の天才少年ピアニスト、牛牛(ニュウニュウ)については、 以前、題名のない音楽会の2012年1月15日放送で観て、 演奏に驚嘆しましたので、記事を書きました。 ⇒牛牛(ニュウニュウ)によるショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」に驚嘆! ... [続きを読む]

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