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2012年1月29日 (日)

題名のない音楽会 2012年1月29日 プルチネルラ

「名曲百選」のシリーズの一環として、「故(ふる)きをたずねて新しきを知る」として、ストラヴィンスキーの「プルチネルラ」が採り上げられた。

この曲の原曲は、ベルゴレージ(1710~1736)という18世紀の作曲家の手になるものと言われてきたが、現在では偽作と判明している。

手許の辞典によると、前古典派時代の作曲家で、数多くの作曲をして、オペラ・ブッファの確立にも決定的役割を果たしたが、26歳で早世したためもあり、死後に多くの偽作が出回った由。
ストラヴィンスキーはロシアバレエ団の委嘱によって「プルチネルラ」を作曲したが、双方とも「18世紀の作品で、ネタとしてふさわしい曲を見つけた」と信じて(ベルゴレージの作品と思い込んで)作曲した。
結果として、ストラヴィンスキーとして「新・古典主義」と称される作品としては最初のものとなった。

8曲から成る組曲の幾つかを聴かせつつ、「新・古典主義」の成立経緯や時代背景などが説明された。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、余りにも楽曲の規模が大きくなりすぎ、結果としてオーケストラが巨大化し、行き着く処まで行ってしまったことへの反動。そして、第1次大戦によって、演奏のために集めることのできるオケの人員が確保しづらくなり、また財政的に困難ともなって、規模の小さい、簡素なオーケストレーションによる楽曲を志向するようになったこと・・・などが説明された。

また、佐渡によると、ストラヴィンスキーは楽器と楽器のコンビネーションや掛け合いの妙を創る天才で、小さな編成のこうした曲にこそ、そうしたストラヴィンスキーの特徴がよく現れているとのこと。そして、そこで見えた特徴のまま、規模を拡大したのが「春の祭典」などの曲だ、と見たらよいとのことだった。

この曲は、上記「春の祭典」など初期の3大バレエの余白に入っていることが多いため、何度かは聴いたことがある。
しかし、何度か聴いても、また、今回のように解説つきで聴いても、率直に言って私は全然面白いと思ったことがない。
第1曲の「シンフォニア」と称する楽章だけは何とか退屈しないで聴けるが、他はかなり退屈だ。

このような小規模の曲にこそ、ストラヴィンスキーの特徴が云々という佐渡の解説を聞けば「そうなのかなあ」と思わないでもないが、だからと言って、「名曲百選」に入れるほどの名曲かどうか。「名曲百選」に含めるべき曲は、まだまだ他に多数あるはずだ。いきなり「プルチネルラ」というのは、唐突だし、早すぎるし、マニアックすぎると考える。

もっと言えば、私はこの曲は「名曲」などではなく、3大バレエで確固たる地位を築き、しかも「春の祭典」でオーケストレーションを革新したストラヴィンスキーの曲でなければ、余り演奏されることはない・・・というレベルの曲だとさえ思っている。

従って私のリファレンス盤というものもないが、かつて名盤とされたことのある、アンセルメによるものを挙げておく。「兵士の物語」が一緒に入っていて、むしろ、この方が面白いかも知れない。ただ、新品は入手困難かも知れない。

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