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2011年12月 5日 (月)

N響アワー 2011年12月4日 未完成交響曲

「永遠の名曲たち」のシリーズとして、シューベルトの未完成交響曲を採り上げた。指揮はブロムシュテット。

この曲がなぜ第2楽章までで終っているのかについては、色々と語られてきているわけだが、今回の番組でも、西村とブロムシュテットがそれぞれの解釈を示していた。

で、私にとっては2人ともほぼ同じことを言っているように思ったのだが、ベートーヴェンに憧れていて、いつかはベートーヴェンのような交響曲を書きたいと思っていたシューベルトが、美しくまた情念の発露とも言うべき交響曲を途中まで書いてみたが、もっと異なる方法で書くべきと考えて、第3楽章の始めまで作曲していた曲を放置し、次の交響曲に取りかかった・・・といった意味のことを述べていた。
結果的に後者の「ザ・グレイト」が、シューベルトなりにベートーヴェンに近づこうと試みて、シューベルトなりに完成に漕ぎ着けた交響曲となり、第3楽章の始めまで書き進んでいた、1つ前の交響曲が、友人宅の書棚に眠り続けることとなった、というわけだ。

確かに1つの解釈として成り立つ考え方だと思う反面、かなりの疑問も残った。

ブロムシュテットによる「未完成」は、極めて素晴しいというわけではなく、さりとて実につまらない、というものでもなかった。無難な線を行ったと言えば聞こえがいいが、何か1つ足りないものだった。
これが、西村の言う「情念の世界」か?? ブロムシュテットは、この曲はとにかく美しく、余りの美しさに、多くの人の涙を誘う・・・という主旨のことを言っていた。その通りなのだろうが、美しいということだけで演奏していたような気がする。
そう、何か1つ足りない・・・と書いたが、それが足りないのだ。と言うよりも、この人はこうしたレベルの演奏しかできないまま年齢を重ねて行くしかなかったのだと思う。

余りこの曲にハマったことがないのでCDも多数持っているわけではないので、中々具体的に例を挙げるのが難しいのだが、何かもっと凄く暗い世界を垣間見せてくれる、と言うべき演奏がある。
そう、フルトヴェングラー指揮によるものが近いか。

そんな演奏によって初めて、シューベルトのこの作品こそ、マーラーを先取りする作品だったのだ、と理解できるはずなのだ。

で、余った時間に「ザ・グレイト」の第4楽章を同じブロムシュテットで鳴らしたのだが、で、ブロムシュテットの指揮だから余計にそう思ったのだろうが、上記の「かなりの疑問」が、確信に近いものとなっていったのである。
「ザ・グレイト」が、シューベルトなりに、ベートーヴェンに近づく試みをして、シューベルトなりにうまく行った曲だって??・・・どこが??
シューベルトなりに、「未完成」よりも、より高い処に行こうとして、最初で最後となる、「何とか近づくことのできた曲」だって?? どこが??

私には、どうしてもそのようには聞こえない。西村が、このブロムシュテットの「ザ・グレイト」を超名演だと言っていたが、そのことも、全く賛同できない。
このザ・グレイトは3年ほど前に演奏されたものである。何かの番組で全曲聴いた覚えがある。実につまらない、と言うよりも、余りにおかしなテンポ感で演奏されたと記憶する。とても受付けられるものではなかった。

私の場合、「ザ・グレイト」は、あのシューベルトが作曲した曲だから聴く、というのに等しく、それ以上でも以下でもない。とは言え、曲の中の所々に、ハッとさせられる部分がある。だから聴くということでもある。

さて、現在は「未完成」が交響曲第7番、「ザ・グレイト」が第8番だそうだ。私などは「未完成」が8番で、「グレイト」が9番、として覚えたクチだから、番号で書くと混乱する。幸いに2曲とも愛称がついているので、その愛称によってこの記事を書いてきた。

最後に、「未完成」の、この演奏は聴いておいて欲しいという、2種類の盤・・・ワルターとフルトヴェングラー・・・そして、「グレイト」はこれしかないと思っているレヴァイン盤を挙げておく。

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