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2011年12月23日 (金)

N響アワー 2011年12月11日 ベートーヴェンV協

N響アワーでは、番組の終りに次回の内容を予告することになっているのだが、その曲目や演奏者などによって、楽しみに次回の放送を待つときと、反対に、どうも気が進まないときがある。

今回は、気が進まない方だった。
ベートーヴェンのV協なのだが、この曲、ベートーヴェンとしては退屈極まりない曲だと思っていて、メンデルスゾーンとブラームスのと合せて「3大ヴァイオリン協奏曲」とか、さらにチャイコフスキーと合せて「4大ヴァイオリン協奏曲」と称されることも殆ど理解できない。むしろベートーヴェンを除いて、他の3曲で「3大ヴァイオリン協奏曲」とする方が妥当だとさえ思っている。

従って、今回の放送はかなり気が進まない回だった。気が進まないと言っても、ある時期からN響アワーは毎回録画・保存するようにしているので、編集がてら聴くということになる。

ところが、聴いているうちに、これは「収穫」かも知れないと思うようになっていった。
ヴァイオリンはセルゲイ・ツィマーマン。ペーター・ツィマーマンの息子。そして指揮はメーメ・ヤルヴィ。日フィルの首席指揮者ということだから日フィルの演奏会に通っている人は承知の人だろうが、私にとっては比較的古い時代の録音があるということだけで知っているというのに等しい。パーヴォ・ヤルヴィのご父君で、パーヴォ・ヤルヴィはN響に度々客演しているから、彼の方をむしろ親しく感じる。

事実、ネーメ・ヤルヴィのN響との顔合わせは、今回が初めてだそうだ。

「収穫かも」と思ったのは、聴いているうちに、「やはりこの曲、いい曲だったのか」と少しは思えるような気がし始めたからである。
これは西村が「規模の大きさと深さにおいて、ヴァイオリン協奏曲の概念を変えた曲」と解説したり、ヴァイオリニストと指揮者の顔合わせと練習風景の中で、ヤルヴィが「この曲は流れるように弾くべき」と言い、ツィマーマンがそれに同意していたことにも影響されて聴いたからかも知れない。

その上で、いい演奏だと思いながら聴いているうち、ひょっとするともう1点、ヴァイオリンを「歌う楽器」として大きく採り上げた、最初期の作品なのかも・・・ と考えるに至ったのである。
もちろんモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の中にもそうした曲はあるだろうが、規模の大きさが違う。

また私は、協奏曲と同じ演奏形態によるベートーヴェンの作品として、2曲の「ロマンス」に、先に(かなり幼少のときから、母の影響で)親しんでいた。2曲の「ロマンス」で十分な長さなのに、ヴァイオリン協奏曲だとどうも冗長に過ぎると思っていた。また、ベートーヴェンの歌ごころというものが、どうしても限界があるのも確かなのではないか。あくまでも彼は楽器的な作曲家だ。

さて私のリファレンスはシェリングの独奏によるもの。ただ、ひょっとしてこうした演奏を聴いていたから、中々良さが分からなかったのかも知れない。上に挙げた「ロマンス」も含まれているが、ここに挙げた盤では「2番」しか入っていないようなので、2曲とも含まれるパールマン盤を併せて挙げておく。まあパールマン盤の方が一般的なセレクトかも知れない。・・・だけど余りにもベートーヴェンとしては明るすぎないか?

さて、「歴史的名盤」に属するが、基本的に聴いておくべき演奏と思うので挙げておくと、ハイフェッツ盤がある。レコードの頃に比べて、随分音質が改善されていて、ブラームスのも併せて入っているのも良い。
ただ、「ロマンス」は入っていない。小曲を集めた「ヴィルティオーゾ・ヴァイオリン」と称する盤に2曲とも入っているので併せて。

この記事に挙げるに及び、私も試聴した。ロマンスは勿論だが、他の曲の凄さはどうだろう。とくに「ツィゴイネルワイゼン」にはブッ飛んだ。改めて自分でも欲しくなった。

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