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2011年12月 6日 (火)

ブルックナーの7番にシンバルは必要

11月22日11月28日の記事で、ブロムシュテット指揮の演奏に関して述べた。ノヴァーク版による演奏なのに、どうも第2楽章でシンバルを使わなかったようだ、ということ。

こうなったら、意地でも調べたくなる。私はノヴァーク版のドイツ語版を持っているのだが(購入した当時は、それしかなかったから)、不幸にしてドイツ語は殆ど忘れたので、シンバルのことについて何か書いてあっても、いきさつなどが分からない。

幸い、その日本語訳つきが今は出ているので手許に取り寄せた。

すると、期待通り、シンバルに関する記述があった。

この日本語訳が実にマズイので、日本語訳でも意味が取りづらいのだが、結論として、シンバルあり、が正しいとノヴァークは結論付けている。モトの版で出版されたあと、主としてニキシュなどが強くシンバルとトライアングルの追加を要望し、ブルックナーがそれを受け入れて別の用紙によって追加を指示したということだ。

あとから何者かがそこに貼り紙をして「無効」と追記したので、それが、ブルックナーが、また気が変って削除を指示したという解釈があって混乱のモトとなったというわけだ。
しかし、ノヴァークは明確に、「無効」と貼り紙した筆跡はブルックナーのものではないとして、「無効」の指示はブルックナーによるものではないから、シンバルとトライアングルの追加は有効だと結論づけている。

実は、同趣旨のことを何年も前に金子健志が書いた本で知っていた。新品の入手が困難なようだが、一応挙げておく。

だから、ブロムシュテットがシンバルを使わなかったのは、やはり不可解だということになる。

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