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2011年11月19日 (土)

名曲探偵アマデウス 2011年10月26日 くるみ割り人形

クライアントは、以前クルマのデザインをしていたデザイナー。今はヘッドハンティングされて、クルマはクルマでも「ベビーカー」の会社でデザインを担当してている由。
最近スランプに陥っていて、モトの会社の上司に相談したら、くるみ割り人形を送ってきた。これはモト上司のイヤミか? という相談。

この曲の中の何曲かはCMでも使われることが多い、ということで幾つかの曲を流してみる。クライアントとアシスタントが「ああ、それそれ」と言い、私もそれらが使われていたことは知っているが、何のCMだったか・・・NHKだからだろう、会社名を出さなかったので不満が残った。

この曲は子どもにも分かりやすい曲だし、舞台の設定がクリスマスのプレゼントということもあり、クリスマス前後によく演じられる曲である。
分かりやすい、ということから「行進曲」を例に挙げ、音階を多用したメロディーと、冒頭に出てくる3連符の数が絶妙であることなどが説明される。

クライアントが現在スランプだということで、それは「白鳥の湖」の初演で大失敗したあとのチャイコフスキーと同じ状況であること、「雪のワルツ」を鳴らし、「もっと想像力を働かせて伸び伸びとデザインせよ」という忠告か? などと話は巡り、そうは言ってもクルマと異なってベビーカーなどは制約事項が大きすぎて・・・と悩むクライアントに、チャイコフスキーもこの曲を大きな制約の中で作曲した・・・という説明が続く。

演出と振り付けを行ったプティパはこと細かな内容を指示する「作曲注文書」なるものをチャイコフスキーに渡していて、例えば「金平糖の踊り」は、「噴水の音がハネルように」と書いてあった。悩んだチャイコフスキーはパリで、当時出始めた頃のチェレスタを見つけ、その音色にたちまち惚れ込んで、その楽器を使うことでプティパの注文に応えてみせた、という。
番組中、チェレスタの中味を見せ、鉄琴との音色の違いなども聴かせた。また「金平糖の踊り」は減七の和音を続けて使っていて、いつまでも和音として「解決」しない浮遊感を醸し出していることなども説明された。

また、一見明るい「花のワルツ」も、中間部では暗い影が出てくる。これは、メック夫人からの援助が突然打ち切られたことと、妹の死という哀しみの中にあって作曲つれたことが影響しているのでは?ということだった。

演奏例は「花のワルツ」。
演奏後のエピソードとしては、無事立ち直ったクライアントから、お礼として「花のワルツ」のオルゴールを組み込んだくるみ割り人形が贈られてきたシーンで終る。

私はこの曲こそチャイコフスキーの3大バレエの中で最も優れた作品だと思っている。

MacでDTMをやっていたとき、音源に付いていたソフトのチュートリアルとして、「花のワルツ」の第1部が付いていた。やっているうちに面白くなり、スコアを見ながら結局「花のワルツ」を全部打ち込むことになり、さらに続けて、この組曲の全曲を打ち込んでしまったものである。打ち込んで行くことによって、チャイコフスキーの「ワザ」の一端に触れることができたように思う。

チェレスタの中味を見せたり鉄琴との音色比較など興味深いものだったし、「花のワルツ」の中間部に感じる影が、メック夫人からの援助中止や妹の死と関係あることは知らなかった。
付言すると「金平糖の踊り」で多用されていると説明された「減七の和音」というのは、コードネーム方式で言うとdim7のこと。ルート音の上に短三度で音を積んで行く和音である。

組曲の録音が多数出ているが、私は、新品の入手が困難なようだが、手に入るならば、是非ともクナッパーツブッシュの演奏を奨めたい。この曲がこんな名曲だったか・・・と再認識させられるはずだ。

また、バレエの映像なしでも音楽的に充実しているので、CDによって全曲に接するのもいいと思う。意外? なことにゲルギエフが中々いいと思っている。

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