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2011年9月11日 (日)

名曲探偵アマデウス 2011年9月10日 ドヴォルザーク 9番

老舗のお茶メーカーが、外国の飲料メーカーに買収され、以前からお茶メーカーに勤めていて、合併の悲哀を感じる社員からの相談。

最近「家路」のテーマを歌いながら、外人の社員が「イッショニガンバリマショー」と言うのだが、意味が分からない。やる気をなくしたのでもう会社を辞めたい。最近彼らが出してきた新製品の企画書が「緑茶コーヒー」だと言う。依頼人によると「日本の文化に根ざした緑茶とコーヒーなんて合うわけがない」
事件ファイルNoは13。

番組内では、2楽章を中心に全楽章に関する分析と蘊蓄(うんちく)が述べられ、最後の演奏例は第4楽章を全部。

曰く、「家路」のテーマとなった第2楽章は、ヨナ抜き音階(ファとシがない音階)で作られていて、これはチェコの民族音楽で使われる調というだけでなく、日本でも馴染み深い音階であり、郷愁を覚えずにはいられないこと。
また曰く、この楽章のテーマは黒人霊歌「Swing low, Sweet chariot」という曲とそっくりで、殆ど同じ音型を、チェコの民族音楽でよく出てくるリズムに載せたものである。
さらに曰く、このメロディーが後から出てくるとき、メロディーの途中で切れ切れに止まってしまう箇所があり、それは休符のフェルマータをつける形で3箇所続けて現れる。作曲者自身の郷愁の思い(ニューヨークに単身赴任中に作曲された)を、自分自身と向き合わせてのことだろう。

結論としては、この曲はチェコの民族音楽の要素と、アメリカ的な要素と、ヨーロッパの伝統的な音楽空間を融合させた傑作で、こうした音楽を創り出せたこと自体が、作曲者のとっての「新世界」だったかも知れない。
また、外国人社員の方が依頼者よりも遙かに故郷をしのぶ思いが強いのではないか、ということになり、新しい「緑茶コーヒー」の開発と発売を一緒にやってみよう、ということで解決。

演奏例の後のエピソードでは、完成し事務所に送られてきた「緑茶コーヒー」が「新世界から」と命名されていて、探偵と助手が試飲を押しつけ合い、探偵が飲むことになって、いかにもマズそうな顔をして終る。

この曲は、クラシックをまだまだ本格的に聴くには至らない人でもよく知っているはずだ。
しかし、学校の下校時に鳴らされる曲ということで、その第2楽章しか聴いていない人も多いはずだ。
全ての楽章を聴き通すことにより、全ての楽章で他の楽章のメロディーが回想される(循環形式と言う)など、ドヴォルザークの作曲技法の素晴らしさが理解できようと言うものだ。

「家路」によく似た黒人霊歌の紹介があり、その歌も紹介(演奏)された。これは聴いた記憶がなかったので収穫。
曲名にある chariot とは、荷馬車のことらしい。で、題名全体の意味は・・・分かりません。

クラシックを余り聴かない人でも知っている曲というのと同時に、この曲からクラシックを聴き始める人も多いはず。
ご多分にもれず、私もごく初期の頃、小遣いを貯めて買った最初の曲だったはずだ。親に買ってもらったレコードもまだまだ少なかった頃で、貴重な1枚となった。

それは、フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団のもので、買った当時は25cmサイズのLPで、モノラルだった。元々ステレオ録音だったのか、今でも売られているCDはステレオ盤。
尚、買った当時、この曲の番号は5番だった。まだ初期の4曲が含まれていなったわけだ。

色々な演奏が出ているが、私がステレオのLPで買い直し専ら聴いていたのはケルテス指揮のもの。ケルテス指揮でも何種類かあるが、ここではウィーンフィルとのものを挙げておく。これは超名盤として人気も高い盤だ。

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