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2011年8月 7日 (日)

N響アワー 2011年7月3日 「ジュピター」交響曲

「永遠の名曲たち」という企画の一環として、モーツァルトの交響曲第41番を、解説を交えながら放送。指揮はツァグロゼク。

西村の解説から印象に残った言葉を少し拾うと以下の通り。

第1楽章・・・堂々としているけど、力(りき)みがない。体がスキッとし、背筋が通るような、心地よい楽章。
第2楽章・・・光と影の交錯。
第3楽章・・・シンプル。洗練の極致。スコアで6ページしかないのに、充実した音楽。
第4楽章・・・第2楽章と第3楽章でリフレッシュした感じののあと、凄いものが続く。完璧といった言葉では尽くせない、それを超えた世界が広がる。後に続く作曲家に衝撃を与えた。ソナタ形式として高い処に達したフガート(フーガ風の)楽章。4つのテーマが登場し、コーダで4つが絡み合ってフガートを形成する。
全体を通して・・・永遠の名曲中の名曲。

第2楽章で、光だけでなく「影」にも言及した点、実に適切。モーツァルトの曲、後期のものは光と同時に、または並行して影があるというのが特徴なのだが、「影」にまで言及する人は割と少ない。
第4楽章のフガートの説明で、4つのテーマをピアノで別々に鳴らしてみせてくれたのは嬉しかった。

何よりも、第4楽章の素晴らしさについて、言葉を尽くして解説したのは実に良かった。
というのも、私がこの曲の凄さを分かった気になれたのは、第4楽章がフガート形式を採った曲であり、そこにこの曲のキモがあり、それによってこの曲の価値が高いものとなっていて、さらに言うと、ベートーヴェンが後に第4楽章に最大の重点を置いた、私流に言う「終楽章交響曲」のハシリであることに気がついてからだったのだ。

それに気付く前は、さほど価値のある曲とは思えなかった。とくに、曲の開始早々、アクセントを付けるためには当時としては通常の方法だったのか、やたらにティンパニーが鳴るのが、喧(やかま)しくて、煩わしくて仕方なかった。・・・これは今でも思うことがある。
それが、第4楽章に重点があり、第4楽章こそ、この曲が偉大である所以だと気付かされたのは、クレンペラーの指揮で聴いてからである。

番組の中で、この曲の前後に作曲された曲をいくつか題名だけ紹介していたが、その中に交響曲第38番を含めてしたのも良かった。
私はこの曲、所謂3大交響曲と併せて「4大交響曲」としないのか、不思議でならないのである。3楽章で完結していて、4楽章構成でないから、価値が一段低いとされたのか?
この曲の価値も、やはりクレンペラーの演奏で知った。

番組内ではさらに、交響曲第41番の後に作曲された主な曲として、3曲が、題名だけ紹介された。それぞれの曲について西村の一言解説。

アヴェ・ヴェルム・コルプス・・・合唱曲の至宝。
魔笛・・・ファンタジー映画のような世界。
クラリネット協奏曲・・・透明な哀しみ。
ここまでを通じて・・・作曲という作業をしているには違いないが、何か見えない力に押されているような。

それぞれ、適切な表現だったと思う。この人は音楽の本質を言葉で表すのが巧い、と改めて思った。

さて、ベートーヴェンの言葉として紹介していたと記憶するのだが、「モーツァルトは神の言葉だけで音楽を創ることができた。その後の作曲家は、人間の最大の力を尽くさないと作曲できなくなった」
これは、まさに至言である。

モーツァルトの音楽に親しみ、そのスゴさが分かってくると、ベートーヴェン以降の作曲家が、どこか無理矢理に、力づくで作品としてでっち上げているような気がしてならなくなってくる。当のベートーヴェンがそう言っていた(ボヤいていた?)のであれば、ましてや、さらにその後を継ぐ作曲家たちには量り知れないプレッシャーだったはずである。

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