最近のトラックバック

« N響アワー 2011年8月7日 手塚治虫と音楽 | トップページ | 名曲探偵アマデウス 2011年8月9日 シェエラザード »

2011年8月11日 (木)

名曲探偵アマデウス 2011年8月8日(月) ベートーヴェン 第5交響曲

夏休みだからということか、8日から連続4日間、「特集 オーケストラのすべて」という企画で放送されることとなった。もともと特集として最初の放送も行われたのかどうか分からないが、事件ファイル番号もついていて、また放送時間も通常通り45分。また事件を探偵が解決してゆく、という形も同じである。

第1回はベートーヴェンの第5交響曲。

居酒屋チェーンの社長が、創立20周年の記念日に、自分で雇ったオーケストラを指揮してこの曲を演奏しようと思った。しかし、いざ練習を始めたら全く思ったようにオケが反応せず、とうとうオケから総スカンを食っていまい、別の指揮者が雇われた、という。
彼は指揮というものを甘く見ていて、暗譜どころか研究もせずに練習しようとした由で、元 指揮者の探偵からきつく叱られる。

まず、この曲は、指揮するのが大変難しい曲であること・・・特に第1楽章最初の処から難しい、ということが説明される。

指揮が難しい、という点、知っている人は知っていることだが、この曲の最初は、休符から始まるので、出だしをどう出るか、指揮者とオケがそこを如何に合せるかが難しい。そして、4つめの長い音にはフェルマータがついていて、どれだけ伸ばすのか指定されていないので、それも難しい。

にも関わらず聴くにはさほど難しく感じないのは、最初の4つの音だけで全曲が構成されているためで、ベートーヴェンの作曲技術の頂点をなすものであることも解説される。

指揮する人によって冒頭の部分がどう変るか、ズブの素人、音大生、高校のブラスバンド部に所属している人に振らせてみて、違いを確かめた。
音大生がそれなりに振れたのはサスガだし、素人が全くできないのは当然だが、ブラスバンド部の高校生がうまく出来なかったのは意外だった。まあ、ブラスバンドでも、自分の楽器だけ演奏しているのであれば、指揮はできない。その部であっても、指導の先生の代わりに練習で指揮したりしていれば、コツが分かっているので、できるはずだ。

また、歴史的録音から何人かの例を聴かせた。カラヤンなども含まれたが、リヒャルト・シュトラウスの録音も紹介されたのは収穫。確か聴いたことはなかったと記憶する。

指揮者の円光寺雅彦が、指揮というのが如何に体力を要するものであるかということ、頸椎を痛めるのが職業病のようになっている、とも(そう言えば、岩城宏之もこの病気に苦しみ、何度か手術もしている)。
とくにこの曲は2拍子であり速度も速いため、腕は振り下ろしてすぐ上に戻す動作の繰り返しになり、体力的にとくに厳しい曲でもある、という。

指揮者は、未来に向けたアタマ(曲を、この先どのように持ってゆくか)と現在を判断するアタマ(今、思った通りの音が出ているか、オケは自分の意図通りに、また誤りなく演奏しているか)、そしておさらいのアタマ(ここまで、うまく進んでいるか、またこの先どう進めるか)という3つのアタマでオケと対峙し、瞬時瞬時に判断し聴き分けながら指示していること、またプロの指揮者にとってもこの曲は振るのが難しい曲であること、など、参考になる点が多かった。
また、円光寺によると、年齢と経験を重ねるうちに、この曲の深さが益々感じられるようになり、演奏の仕方も変ってきたと言う。

結局居酒屋チェーンの社長は自分で指揮するのは諦めるが、探偵は「今まで色々な経験を積まれ、小さな居酒屋を全国チェーンに育て上げた社長。その社長の仕事と指揮者の仕事は同じ。だからいつか必ず指揮することができるはず」と慰めて事件は一応の解決を見る。

演奏は円光寺の指揮で東京フィルハーモニーが第1楽章を。

第1楽章だけとは言え、久しぶりに聴いた。
聴いて、改めてこの曲の凄さを実感した。
第1楽章は8分程度の演奏時間なのだけど、この曲で聴く8分間というのは、何と充実した8分間だろう。極めて密度の高い8分間である。こんな第1楽章のあと、どんな曲を書くというのか。しかしベートーヴェンは書いた。この曲の全体に、曲の最初の動機を埋め込んで。

・・・と書いたが、実の処、第3楽章と第4楽章に曲の冒頭の音型が含まれていることは早い時期から気が付いていたのだが、第2楽章に含まれているようには、まだ聞えないのである。
番組中の曲の解説では、第1楽章全体に曲冒頭の音型がずっと使われていることの説明はあったが、他の楽章についての説明は省略された。また、別の番組でもこの曲の解説があるとき、「曲全体が」云々という説明があるだけである。
その中に、第2楽章も含まれるのだろうか。
自分なりに、久しぶりに、もう少しスコアを眺めてみようかと思う。

« N響アワー 2011年8月7日 手塚治虫と音楽 | トップページ | 名曲探偵アマデウス 2011年8月9日 シェエラザード »

作曲家、演奏家」カテゴリの記事

作品」カテゴリの記事

音楽番組」カテゴリの記事

トラックバック

« N響アワー 2011年8月7日 手塚治虫と音楽 | トップページ | 名曲探偵アマデウス 2011年8月9日 シェエラザード »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

書評 資料室

Amazonアソシエイト

無料ブログはココログ