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2011年8月 1日 (月)

オーケストラの森 2011年7月31日 札幌交響楽団の「悲愴」他

N響アワーの枠で、1週余分にある月に放送されている「オーケストラの森」。東京を除く「地方の」オーケストラの活動と演奏を紹介する番組である。
「地方の」とカッコ付きで書いたのは、大阪や京都のオーケストラを紹介した回もあったからだ。大阪や京都は、「地方」ではない!

それはともかく、事前に番組ガイドを見ていたら、「武満徹の『オーケストラのためのハウ・スロー・ザ・ウィンド』他」と書いてあった。武満作品は未だに積極的に聴きたいとは思わないし、聴くのには少し構えないといけないので、見ないでおくか、見るとしても録画で後から見るか・・・と考えていたのだが、他に見たい番組もなかったので録画開始後、ほぼ同時に見た。

見て良かった。

札幌交響楽団(以下、札響)を採り上げたのだが、曲はチャイコフスキーの「悲愴」全曲と、アンコールとしてエルガーの変奏曲「謎」から第9変奏。
指揮は音楽監督の尾高忠明。そうか、尾高忠明が音楽監督だったんだ。
場所は、札幌コンサートホールKitara大ホール。2011年6月4日の公演で、ヨーロッパ演奏旅行の凱旋コンサート、という触れ込み。

チャイコフスキーの「悲愴」は、クラシック音楽を本格的に聴きだした頃、随分聴いたものだが、やがて、第4楽章の余りにも陰々滅々とした雰囲気に耐えられなくなり、最近では殆ど聴いていない。
だから久しぶりに聴いたのだが、名演だったと言えるだろう。

札響の音、尾高忠明は音楽監督に就任するより前から、40年にわたってこのオケと接してきたそうだが、「きれいな音のするオーケストラで、新しいKitaraホールができてから、一層磨きがかかり、巧くなった」と言っていた。まあ確かにそうなのだろうが、私には弦の音が少しばかり薄く、粗く聞えた。

さて、この曲の後にアンコールを演奏するのは、余り例がないのではないか。「悲愴」のような、暗く静かに終る曲のあと、どんな曲を続けてもブチ壊しになるのではないか。
そう思ったが、エルガーの「謎」の第9変奏は、暗く静かな曲調から次第に明るさと広さを増して上に登って行くような曲なので、却って「悲愴」の毒気を緩和してくれる点では良かったかも知れず、また、それが狙いだったかも知れない。
エルガーを得意とする尾高だ。彼の指揮で全曲聴いてみたいものだ。

「悲愴」は遠ざかってはいるが、名曲であることに異論を挟むものではない。今回の放送をボーッと聴き、見ていたが、この曲でチャイコフスキーのオーケストレーションが最高の域に達したことが改めて良く分かったし、メロディー作りの巧さも際だっていることを感じた。第1楽章の第2主題など、一度聴いたら忘れられないはずだ。
第3楽章の騒々しさは徹底していて、第3楽章の賑やかな終り方は、そこで曲が終っても不思議ではないような終り方。ここは、聴き始めの人であれば拍手を入れたい処でもある。現にこの演奏、会場から少しだけ拍手が鳴った。まあ、これは仕方のないことではある。

この「悲愴」だが、陰々滅々とした感じを余り濃く出さない演奏というものもあり得るので、あるとき小澤征爾の演奏に出会ってからは、正統派中の正統派と言えるムラヴィンスキーと何れかを選んで聴く。
今回の尾高忠明の演奏も、陰々滅々とした感じの、比較的薄いものだった。だから素直に「名演」と上に述べたのかも知れない。小澤はサイトウキネンとの演奏よりも、もっと若い頃の、ボストン交響楽団との演奏の方を薦める。

さて、変奏曲「謎」だが、何度か聴くうちに好きになった曲であり、ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」とともに、「変奏曲」という形式こそが、西洋音楽における肝(きも)ではないかと考えるようになったキツカケとなった曲である。

永らくショルティで聴いていたが、プレヴィンも面白い。何れも行進曲「威風堂々」1番~5番との組み合わせ。「威風堂々」は1番だけが突出して有名で、1番しか知らない人も多いだろうが、これを気に5曲とも聴いてみられることをお奨めする。

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