N響アワー 2011年7月10日 プロコフィエフ 2つの協奏曲
「プロコフィエフの、2つのト短調協奏曲」と題して、ピアノ協奏曲第2番から第1楽章、第3楽章、第4楽章と、ヴァイオリン協奏曲第2番から第2楽章と第3楽章が演奏された。
前者はガヴリリュクのピアノ、後者は神尾真由子のヴァイオリン。
ピアノ協奏曲第2番というのは、初めて聴いたように思う。初めてだが、決して2度とは聴きたくない曲だ。殆ど凄まじい大音響に終始する曲と言ってよいだろう。交響曲で言うと、これもまた同じ番号の第2番と類似した音響世界である。
また、ヤタラに沢山の音符を書き連ねて、不要に演奏の困難度を上げているように見えた。
プロコフィエフという人は、実に不思議な作曲家だと、かねがね思っている。この第2番のピアノ協奏曲の前衛性が、亡命中の作品だから、ということでは必ずしもないのである。よく親しまれていて私も好きな第3番も、同様に亡命中の作品なのだ。第3楽章に越後獅子を思わせる楽句が出てくるのは、亡命のため経由地となった日本滞在で影響を受けたことによるので日本人にとって親しみやすい要素があるのは勿論だが、音楽全体を聴いても概ね聴きやすくできている。なぜ、この第2番の後に第3番のような曲が続くのか。
西村も、評する言葉が見つけにくかったと見えて、「凄まじい」とだけ言い、苦笑いを浮かべていた。
ピアノ協奏曲第3番の私のベスト盤はアルゲリッチの演奏。
ヴァイオリン協奏曲第2番は、遙かに聴きやすい曲だし、私も文句なく好きな曲である。何度か聴いている。これはソ連に帰国したあとに作曲されたもので、前衛性は余り感じられなくなっているが、ヒネリが効いている。私にとってのベスト盤はまだ確定できていないが、とりあえずヴェンゲーロフ盤を挙げておきたい。
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番とのカップリング。
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