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2011年7月11日 (月)

名曲探偵アマデウス 2011年7月9日 こどもの情景

事件ファイルNoは10番。

ピアニスト兼女優役の斉藤由貴が、次の撮影で使う曲として渡された譜面がシューマンの「こどもの情景」。これまでどんな曲でも弾いけていたのに、この曲を弾こうとすると、譜面づらは簡単そうなのに、指がどうしても動かなくなっとしまう、という相談。

1曲目の「見知らぬ国と人々」では、6度の跳躍によるメロディーが憧れを現す音型となっている。4曲目「ねだる子ども」に全く同じ音型が出てくるし、2曲目「不思議なお話」にも同じ音型が隠れていて、曲の統一を図っている。
13曲全てに付いている標題は、イメージの固定を狙うよりは、むしろイメージを膨らませるべく付けられている。これは文筆家としても名をなしたシューマンの文才によるものである由。

7曲目の「トロイメライ」は、8回出てくる主題の「ド」の音が出てまるたびに短くなって行き、開けそうで開けない「心のフタ」を現すようだが、最後の方でハ長調の主和音が鳴り、解決を図る。
このハ長調の主和音にはフェルマータがついていて、ピアニストによって色々な思い・・・子どもの頃を思い出すのに、それぞれの人生経験によって、色々な思い出し方があるので・・・を込めて弾くようだ。
という処で、仲道郁代が色々な弾き方を実演しながら説明してくれた。

ここまで聴いて、どうしても子どもの頃など思い出したくない、という斉藤由貴に、探偵は最後の曲「詩人のお話」を聴かせ、この詩人こそシューマン自身であり、これは結局子どものために曲ではなく、大人のための曲として書いた旨をシューマン自身が語っていることを告げる。

子どもの頃にどうやらイヤな思いをずっとしてきたらしい斉藤由貴は、何とかその思い出と折り合いをつけてゆくことを決めて、一応解決ということになる。

何度か聴いている曲ではあるが、「トロイメライ」のハ長調の主和音の、ファルマータの話や、最終曲の「詩人は語る」にカデンツァがあることなど、何点か改めて確認できたことがあり、収穫だった。

また、中間での解説の一部と演奏例、そして最後の演奏が、ベートーヴェンの「月光」に続いて仲道郁代だったことも嬉しかった。

そう言えば、彼女のデビューの頃は、シューマンを何枚か出していたのを思い出した。それは余り優れた演奏とは思わなかった。
それだけしか知らない頃、偶々近くの会場でショパンをメインにした演奏会があり、全然期待せずに聴きに行ったら、ショパンの、とくに「バラード第3番」で陶然とさせられ、瞬時にファンになったのである。「バラード」の中でも第3番はそれまで全く良さが分からなかったのが、仲道郁代の演奏で扉が開いたというわけだ。

というわけで、彼女のシューマンは現在に至るまでよく分からないのだが、ショパンから1枚。
そして「子どもの情景」は、何と言ってもアルゲリッチ盤にトドメを差す。アルゲリッチ盤は、「クライスレリアーナ」との組み合わせで、これがまた実にスゴイ演奏なのである。どこか不思議な、そして怪奇的な趣きのあるこの曲、アルゲリッチ盤を聴いてしまったら、中々他の演奏では聴けなくなってしまう。ある意味で困ったことでもあるが、インパクトのある演奏に接してしまうことは、他の聴取経験を捨ててしまうことにも繋がる、という例でもある。

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