N響アワー 2011年5月29日 マーラー3番
ようやく日の目を見た放送である。
もともとこれは、2011年3月13日に放送される予定だった。なぜ延期されてしまったのか疑問をぶつけた2011年4月9日の記事に続いて、N響アワーより先んじてBSプレミアムで4月17日に全曲が放送され、そのときのことを2011年5月1日の記事にも書いた。
だから、私の関心事の1つは、当時用意していたままの編集で放送するのか、新しく編集し直すのか、ということであった。
結論としては後者であった。前者ならもう一度岩槻アナを見ることができると期待していたのだが・・・。
構成は、1年間各曲を振ってきた指揮者のコメントから抜粋したものを付け加え、第1楽章の冒頭部と、第4楽章、第5楽章、第6楽章だった。
西村曰く、この曲だけ残されていたとしても、マーラーの名前は後世まで伝わることとなっただろう。マーラーの最高傑作だ・・・。
この辺り、私の考えと近いので嬉しくなる。私もそう思うし、とくに第6楽章の素晴らしさは例えようもない。この楽章だけ残ったとしても・・・と言いたいほどだ(「題名のない音楽館」の「マーラーの交響曲について」の「第3番」)。
指揮のチョン曰く、人生に対する色々な疑問は、音楽が鳴っていると全て忘れてしまう・・・。
これに西村が強く反応し、さらに、曲の持つ力を引き出す、良い演奏だった、とコメント。
改めて、何でこの曲、震災自粛により延期と判断されたのか分からないと思った。既にチョン指揮で全曲聴いているのだが、今回聴き直して、ますますそのように思った。
尚、ついでながら調べたのだが、この曲の第4楽章で歌われるニーチェの「ツァラトゥストラ」。どの部分かと言うと、「第4・最終部」の「酔歌」の第12章である。またそれよりも前、殆ど同じ形で、「第3部」の「後の舞踏の歌」にも出てくる。
ここの詩、攻撃的なイメージの強い本書の中では「生きる」ことを強調した感じが大きいし、何よりも第5楽章、第6楽章と続くことにより、大きな安らぎに繋がってゆくのだ。震災のとき、自粛するような曲ではなく、むしろ流すべき曲だったのではないか。
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