題名のない音楽会 2011年5月22日 ブラームス 二重協奏曲
名曲百選として、ブラームスの「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」を取上げた。
ブラームスが、親友でありヴァイオリン協奏曲を献呈したヴァイオリニストのヨアヒムと仲違いした時期があり、仲直りを願って作曲した曲とのことである。
この曲、私はちゃんと聴いたことはないはずだ。随分シブイ曲を「名曲百選」に入れたものだと思う。
題名のない音楽会であるから、時間の制約もあって一部しか演奏されなかったが、まあそれなりに良い曲だと思った。
しかし、この曲については殆ど初めて聴くに等しいので、演奏等についての論評は差し控える。
仲直りをするため、元々5番目の交響曲のつもりで書き始めていたものを二重協奏曲用に書き改めたそうで、「だから交響曲みたいに響きが豊か」だと、解説していた。
そんな解説のあと、曲を聴きながらつくづく思ったのは、ブラームスという人は何と優しい人なのかと思った。
確か、ピアノ協奏曲第1番も、交響曲として書き始めていたものを協奏曲に仕上げたという話を聞いたことがある。
ベートーヴェンを尊敬する余り、またはベートーヴェンの呪縛から中々自分を解放するに至らず、ようやく40歳を超えてから第1交響曲を発表するに至ったわけだが、ピアノ協奏曲第1番がもし第1交響曲となっていたら、もう1曲余分に交響曲を書いていたことになる。
そして、「二重協奏曲」が当初の予定通りに交響曲となっていたら、もう1曲加わることになっていたわけである。
ようやくベートーヴェンの呪縛から少しは解放され、あと1曲でも多く交響曲を書きたいと思い、次の曲を準備していたのではなかったか。それを、親友との仲直りのためとは言え、協奏曲に転用してしまうのだから、何と優しい人だろうと思ったわけである。
尚、交響曲のように充実した響きを持つ協奏曲としては、ヴァイオリン協奏曲もそうだし、ピアノ協奏曲第2番に至っては、「ピアノ付き交響曲」とさえ言われるほどだ。
だから、今回取上げた二重協奏曲だけの特徴というわけではない。「交響曲として書いていたから響きが充実」というのは、分かりやすい説明ではあるが、必ずしも正確ではないということを付記しておく。
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