最近のトラックバック

« N響 第1695回定期 チョン・ミュンフンのマーラー3番 | トップページ | 名曲探偵アマデウス 2011年4月30日 悲愴交響曲 続き »

2011年5月 3日 (火)

名曲探偵アマデウス 2011年4月30日 悲愴交響曲

「アマデウス」の事件ファイルとしては4番にあたる。
「セレクション」として事件ファイル1、2と続いたが、1つ飛ばして4ということだ。BSプレミアム2011年4月30日(土)13時から放送。

亡くなったご主人が残した、チャイコフスキー「悲愴」の楽譜の表紙に、「君に」と書いてあったが、「君とは誰か。私でなく別に女がいたのか。口うるさく言っていたから、私は嫌われたのか」という、主婦の相談というのが、コント仕立の枠組み。

口うるさい、ということに関連して、チャイコフスキーの楽譜に記されている強弱指示記号が、fffなどからppppppまで実に幅広く、しかも細かく書かれていることを説明。

また、「悲愴」という題名の「悲愴」だけで片付けることのできない、第1楽章第2主題のメロディーが、つごう3回出てくるが、最初は属九の和音を多用した、不安に満ちた響きで出てくるが、2度目は音域を拡げて激しい感情を表し、3度目は、属九の和音が減り、穏やかな表情となることが解説される。
------------------------------------------------
ちなみに、属九の和音とは、7つの音階の、5つの音が同時に鳴る和音のことである。コードネーム式の書き方では、Cが元になる音(根音《こんおん》)場合、C9、またはC7(9)などと記す。
C7というと「属七」で、Cが根音の場合、C、E、G、B♭の音から成るが、C9はさらに上のDが加わる。
------------------------------------------

そして、「別に女が?」ということに対しては、チャイコフスキーを永年援助し続け、13年間に1300通のラブレターをやりとりした、フォン・メック夫人という人がいたことを紹介。「やはり?」と落込む依頼人に、実はチャイコフスキーとメック夫人は、生涯一度も会ったことがない、と説明し、悲愴交響曲を書き始める2年前に、突然メック夫人からの援助と手紙の交流が打ち切られ、絶望したチャイコフスキーが、何とかその感情を克服しながらこの曲を書いたことが述べられる。

そして、題名の「悲愴」は、自筆譜にフランス語で書かれた「パテティーク」に基づくものだが、元々ロシア語では「パテティーチェスカヤ」と記されていて、それは「強い、感動的な、感傷」と言った意味で、「悲愴」という意味はないことなどが語られる。

また、第4楽章で第1主題が最初に出てくるとき、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが、1つのメロディーを2分割して弾くように書いているのだが、これは2つのパートがお互いに相手の音を聴きあって息を合わせないとちゃんとしたメロディーにならないから、これは依頼人と力を合わせて歩んできた人生を示しているのではないか、と説明。
ここで依頼人は納得し、「事件」が解決、ということになる。

楽曲分析は、上記の第1楽章と第4楽章・・・第4楽章は、ほぼ第1主題だけ・・・のみで、第2楽章と第3楽章は省略された。

最後にこの番組では、曲の一部を演奏するのだが、新しい事件「ファイル」では、依頼人の、その後のエピソードが付け加えられ、オチがあって終るようになっているのだが、少なくともこの「4」辺りまでは、その部分は置かれていない。
この「悲愴」では、第1楽章を抜粋したものが演奏された。

演奏は勿論N響だが、最後だけでなく、上記の、第4楽章の主題が最初に出てくる箇所について、第1ヴァイオリンだけで演奏するとどんな音になるか、また第2ヴアイオリンだけで演奏するとどうか、ということを、フルオーケストラ編成のまま鳴らしてみせた。

随分ゼイタクな番組だったわけだ。
放送局に所属するオーケストラの有効活用ということもあるだろうが、NHKでないとできないことかも知れない。

尚、第4楽章の主題は、ヴァイオリンが2つのパートで別々のものを弾いて、合せて1つのメロディーが浮かび上がると書いたが、このことを知らないで聴く限りでは、まず分からない。
番組内でも、こんな書き方は後にも先にも例がないだろうと言っていた。

関心のある人はポケットスコアをどうぞ。

尚、この部分について、解説によっては、ヴァイオリンの2つのパートを左右に振り分ける配置の場合、音が左右に揺れて聞こえるので、不安な感情が一層迫ってくる、と説明しているものもある。

(この稿続く)

« N響 第1695回定期 チョン・ミュンフンのマーラー3番 | トップページ | 名曲探偵アマデウス 2011年4月30日 悲愴交響曲 続き »

作曲家、演奏家」カテゴリの記事

作品」カテゴリの記事

音楽番組」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 名曲探偵アマデウス 2011年4月30日 悲愴交響曲:

« N響 第1695回定期 チョン・ミュンフンのマーラー3番 | トップページ | 名曲探偵アマデウス 2011年4月30日 悲愴交響曲 続き »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

書評 資料室

Amazonアソシエイト

無料ブログはココログ