最近のトラックバック

« NHKクラシック プレミアムシアター クライバー演奏会 | トップページ | N響アワー 2011年4月3日 エルガーのチェロ協奏曲他 »

2011年4月17日 (日)

NHKクリシック プレミアムシアター クライバー演奏会 続き

(前稿からの続き)

4月11日の放送は、まず「最新ドキュメンタリー 目的地なきシュプール」と題し、クライバーの演奏に関わったフムロデューサー、オケのメンバー、メイク担当、後輩の指揮者、そして実の姉さんが登場し、リハーサルの映像や実演の映像を見せながら、当時の状況を振り返るという構成。

ここで採り上げられたリハーサルや実演の映像は若い頃のものが中心で、何れも断片的だったが、断片的であってもその凄さは十二分に伝わるもので、確かにメキメキ頭角を現してゆく存在だったと分かるもの。バレエのように見えた優雅な指揮ぶりも、実は丹念に計算され尽くしていて、鏡を見ながら「どうしたら、より優雅に見えるか」を常に研究していたらしい。また、通常の指揮者とは異なる棒の振り方をしたが、それでいてテンポの指示は全く的確だった由。

さらに、父であるエーリヒ・クライバーの演奏が常に最上のものと思っていて、自分が中々その域に達しないことを嘆いていたとか。

こんなエピソードの後、1991年のウィーン・フィルとの演奏会。曲目はモーツァルトの36番と、ブラームスの2番。
ドキュメンタリーに出てきていた当時と比べて年をとったということもあってか、また、その当時の映像を見たあとということもあってか、心なしか動きが硬くなり、乗っていないように見えたモーツァルトだったが、ブラームスは良かった。

そして、1992年のウィーン・フィル ニューイヤーコンサート。これが大収穫。
まず第1に、ハイビジョン規格による放送だったということ。今みたいに地デジによってハイビジョン画質が当たり前のようになっている時代とは違い、1992年の時点で本当にハイビジョン規格で録っていたとは驚きで・・・リマスターとは表記されていなかったので、元の録画だと信じるのだが・・・毎年の元日に放送されているニューイヤーコンサートと同等の画質で、20年近く前のものが楽しめるという、この上ない贅沢を味わえた。
私は持っていないが、このときの演奏は、CDでは出ている。

第2に、私の好きな「千一夜物語」と「天体の音楽」を採り上げたこと。
とくに「天体の音楽」は、もともとサントリーが、その昔、オールド(妙な単語重複!)のCMに序奏部を使ったことによって知り、その後全曲を聴いて大好きになった曲である。
作曲者はヨーゼフ・シュトラウスで、ヨハン2世の弟だが、ヨハンよりヨーゼフの方が才能があるのではないか、と、この曲によって思うようになったのである。いや、もっと強く言うと、確信するようになった。

ニューイヤーコンサートでは、1987年にカラヤンが採り上げたとき以来、このクライバーのとき以降、やったのかどうか。

やった、やっていないは別にして、「天体の音楽」は、カラヤンとクライバーによる、何れもニューイヤーコンサートにおける演奏がベストだろう。
そう言えば、クライバーはカラヤンを、半ば毛嫌いはしていたが尊敬の念の方が強く、ザルツブルクに行ったときは、カラヤンの墓参りをするのが常だったと、先のドキュメンタリー「目的地なきシュプール」で証言している人がいた。意識して採り上げたのかも知れない。

ニューイヤーコンサートにおけるクライバーの指揮ぶりだが、始めの方は、硬いというか、何か乗り切れない感じだったが、後半にかけて、次第に熱を帯び、体も動きを増し、健在ぶりを見せたように思う。

何しろ「プレミアムシアター」は、4時間に及ぶ番組である。いくら録画して日中に見たとしても、通して聴くのはさすがに疲れる。
録画したものを2日に分けて聴いたが、クライバーの凄さを再認識でき、もうこんな指揮者は二度と現れないのだろうと思った。

見逃した人は、また、まだこの人の演奏を聴いたことのない人は、是非ともCDなりDVDなりを手元に置いて、聴いたり見たりして欲しい。

ちょっとカゲキなクラシック評論」さんも同趣旨のことを書いておられるのかと受け取ったが、この人の指揮ぶりや演奏の凄さは、自ら接してみないと説明しづらいし、自ら接したら、必ず凄さが分かると思う。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートだが、カラヤンの時のものしかCDは持っていない。
最近、ニューイヤーコンサートというものに殆ど関心を持てなくなってしまった。カラヤンの後、余りにもつまらない演奏ばかりになってしまったと感じていたためである。
このため、クライバーのときのものを見逃していたのだが、クライバーの時のものは、こうして録画できたわけだ。

だから「カラヤンとクライバー以降、ニューイヤーコンサートはつまらなくなった」と言い替えることにする。
この二人以降、もうこんな人は現れないのだろう。

« NHKクラシック プレミアムシアター クライバー演奏会 | トップページ | N響アワー 2011年4月3日 エルガーのチェロ協奏曲他 »

作曲家、演奏家」カテゴリの記事

作品」カテゴリの記事

音楽番組」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NHKクリシック プレミアムシアター クライバー演奏会 続き:

« NHKクラシック プレミアムシアター クライバー演奏会 | トップページ | N響アワー 2011年4月3日 エルガーのチェロ協奏曲他 »

2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

書評 資料室

Amazonアソシエイト

無料ブログはココログ