題名のない音楽会 2011年4月24日 大震災復興応援(1)
素晴しい企画だった。
内容は掲題の通りだが、大ファンである森麻季と村治佳織の両名に加え、ファンとまでは行かないが一目を置いている平原綾香まで登場し、森麻季は「戦争レクイエム」から合唱団と共に1曲、村治佳織はビートルズの「ヒア・カムズ・サン」のギター編曲版を演奏し、平原綾香は「ジュピター」を歌った。
「戦争レクイエム」は、2011年3月3日の記事にも書いたが、ようやくその凄さが分かるような気がしてきていて、今回採り上げたのは「さあ眠ろう・・・楽園へ天使は汝を導かん」という部分だったが、まさに今この時期に演奏されてしかるべき曲だと思った。森麻季のソプラノと少年合唱団がラテン語で、他は英語の歌詞となっていることも、解説を聞いて初めて知った。
「戦争レクイエム」は、凄さが分かりつつあるので、作曲者ブリテンによるCDも入手した。大曲であり、中々聴くのは骨が折れそうで、まだ聴いていないのだが・・・。
「ジュピター」は、原曲の始めの部分と終わりの部分を活かした編曲。余りこの形では演奏されないのではないか。
平原綾香に一目置いていると書いた。私は本来、クラシックの器楽曲に適当な歌詞を勝手につけて歌うというのは全く価値を認めていないし、従って聴くこともないのだが、彼女の歌詞と歌は、私のそうした考えを打ち破るほどの力を感じるからだ。優しいのに力強いのだ。
まあしかし、「ジュピター」は、原曲で、通常平原綾香が歌っている部分が如何に効果的に挟まれているかを理解して聴くのが良い。私は結局、一番最初にこの曲を知った、カラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏に決まってきている。
カラヤンにとっても、この曲の初めての録音なのだが、後にベルリン・フィルと録音したものよりも断然優れている。
現在は、信じられないほど安価に手に入る。
さて、番組の最後には、「フィンランディア」を合唱付きで演奏するというので、曲が始まる前、楽しみだと思ったのだが、何と日本語の歌詞で歌った。
これは全く頂けない。ここは元の歌詞であるべきだ。日本語とフィンランド語?では、パワーが違う。それに、今の日本の状況と重ねた歌詞にしていたが、ブィンランド独立を思った当時の歌詞でもいいではないか。
この合唱入りの版は、なかなか適切なCDがないようだ。
この記事を書くにあたり散々探したが、見つからなかった。
であればこそ、余り聴かれないこの曲の合唱入りは、原語で紹介すべきだったはずである。テレビはもちろん、会場にだって字幕が入るのだから内容は分かるではないか。
もう一点付言したいのは、今回、番組前後に通常入っているCMが殆ど入らなかったことである。
この番組、元々違う目的で進んでいたが急遽内容を変更する旨、スポンサーの出光興産が即刻理解した、と佐渡が言っていた。いくら永年にわたりスポンサーをやっているからと言っても中々できないことのはずだ。心から敬意を表したい。
CMを除いたことにより、通常よりも少し長めに曲を入れることができた点も、併せて敬意を表したい。