東京交響楽団演奏会 ブルックナー8番他
BS2 クラシック倶楽部2011年2月11日放送。
スーダンの指揮でショパンのP協2番とブルックナーの8番。ピアノはダン・タイ・ソン。
この中のブルックナーの8番は、2011年1月30日、N響アワーの枠でやっている「オーケストラの森」で放送された。但し、時間の関係で第1楽章、第2楽章、第4楽章のみ。本当は第3楽章を抜いて演奏するなんてトクデモナイと言いたい処だが、致し方あるまい。「そうした人のために演奏会の全てを放送する番組を用意しているのです」とNHKは言うだろう。
東京交響楽団は長い伝統を誇る楽団だが、いつの間にか川崎に本拠地を移していたのは知らなかった。
LPレコードというものが出始めの頃で、それがステレオになっていった頃、上田仁の指揮でショスタコーヴィチの交響曲第12番を録音したものがあり、これが私にとってのショスタコーヴィチとの初めての出会いだった(「題名のない音楽館」の「ショスタコーヴィチ論」の「交響曲第12番」)。
この曲は1961年に作曲され初演されているので、ソ連での初演から殆ど間をあけずして日本で演奏されたことになる。
この曲に限らず、当時の東京交響楽団は、当時としては最新の曲を日本に意欲的に紹介してくれる楽団として知られていた。そのためもあるのだろうが、深刻な経営危機に陥り、その救済策の意味もあって「題名のない音楽会」という番組が始まった。東京交響楽団の出演回数を確保することで、安定的な収入を得てもらい、援助の足しにいてもらおうというわけである。
その後も紆余曲折があったのだろう。首都圏にオーケストラは多いが、実情は、殆どの楽団は経営としては苦しいはずである。川崎に本拠地が移ったのも、そのことと関係あるだろう。支援してくれる役所や企業、そして聴衆がより多く見込めそうな処に本拠地を置くのが自然だからである。
さて、久しぶりにブルックナーの8番を聴いたのだが、結構良かったのではないだろうか。
全体に早めのテンポだったが、違和感を覚えるほどではなかった。
何よりも、私は、この曲は第4楽章の最終部がうまく行けばそれで良し、としたいのである。それが、うまく行った演奏が意外と少ないのである。
第4楽章の最終部は、これまでの4つの楽章の主題が全て重ねて演奏される。これが、全てちゃんと聞こえる演奏が意外と少ないのだ。これがうまくいかないと、ブルックナーを聴いた気にならない。または、聴いたという充実感が半減する。今回放送された演奏は、それなりにうまく演奏していた。
ショパンのピアノ協奏曲第2番は、まあ、こんなものだろうという感じ。この曲は何と言っても、昨年聴いてCDも買ったリーズ・ドゥ・ラ・サールの演奏が強く印象の残っていて、しばらくは他の演奏を聴く気にならないということもある。アルゲリッチは別格として。
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