N響第1688回定期 2011年1月16日放送 アヴデーエワのショパン
昨年2010年はショパン・イヤーだったが、中々「これ」という演奏に廻り会わなかった。ショパン・イヤーを意識した番組を見ても、ロクなのはなかった。
仲道郁代による「ショパンのレッスン」は、「初心者にも弾ける」というとを強調する余りに原曲から大きく外れた編曲によるもので面白くなかったし(2010年10月25日の記事)、作家の平野啓一郎による「こだわり人物伝 ショパン」は、作品論の内容から外れた、ショパンが生きていた頃の政治・社会情勢に重点を置いた(置いてばかりいた)ものだった(2010年10月26日の記事)。
少なくとも、仲道郁代を講師として呼ぶレッスンであれば、原曲の中から「これ」というものを選び、弾き方のコツやワザを伝授する内容とすべきだった。年齢・キャリアともまだ若いし、重鎮とは言えないだろうが、十分その資格はあると思うのである。
ただ、演奏については、リーズ・ドゥ・ラ・サールというピアニストを知ったのが大きな収穫だった。まずルイージ指揮PMFオーケストラによるP協第2番の演奏を聴いてスゴイと思い、同じ指揮者によるドレスデン・シュターツカペレとの同じ曲の演奏のCDを聴いて、それが確信となったのであった。彼女によって、ショパンのP協第2番の価値を改めて見直すこととなったし、イチ押し盤としてこのブログの右サイドに常時掲載することとしたのである。
(ルイージ指揮PMFオーケストラの演奏については2010年10月5日の記事、ドレスデン・シュターツカペレとのCDについては2010年11月27日の記事)
さて、これだけが唯一の「ショパンイヤー」における収穫か・・・と思っていたら、年末にもう一つ収穫があった。ショパン・コンクールが開催された年でもあり、優勝者のユリアンナ・アヴデーエワによるP協第1番を聴くことができたのである。
実はN響アワーの2010年12月26日で採り上げられたのだが、年末のゴタゴタと年末年始にわたった休載のため、書く機会を逃していたのだ。
で、1月16日のBS2による演奏で改めて聴いて(この記録が正しいとすれば、年末年始の番組で時々ある変則日時の放送となる。通常毎週金曜日の放送なのだが、16日は日曜だ)、やはり昨年のもう一つの収穫ではないかと改めて思ったのである。
(この稿続く)
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