名曲探偵アマデウス 2011年1月16日 ローマの松
2011年1月16日にBS2で放送されたのは、レスピーギの「ローマの松」。
曲の最初が鳴り始めたとき、「ああ、この曲、大好きだった」と思った。やたらに賑やかで華々しく明るく始まるのである。
とにかくツカミが良い。まだ輸入盤の高価なスコアしかなかったとき、それを入手して、冒頭の部分がとにかく楽譜というよりも「模様」みたいになっていて、こう書くとこんな響きになるんだ、と感心したりしていた。現在は国内盤で安価に入手できるので、一度見てみられることをお奨めする。
第3部で実際に録音したレコードで、ナイチンゲールの声を鳴らすというアイデアも面白い。
何よりも、第4部「アッピア街道の松」で、古代ローマの軍勢が歩んで来るような情景は、初めて聴いた人でも興奮を覚えること間違いなしだ。
この日の番組は、「聴くだけでローマ旅行をした気分になれる曲」としてこの曲を選んだという設定もあり、それぞれの部分で描かれている処の実際の情景を映像で見せながら進めて行った。この構成もテレビならではという処だ。
さて、古代ローマの軍勢が歩んで来るように聞える第4部だが、以前から私は、「これは、まるでハリウッド映画のスペクタル場面のようだ」と思っていた。どの映画と特定するわけではないが、古代をテーマにした映画で鳴っていてもおかしくないような響きを持っているのである。
ところが、番組の中で、この部分と特定して言及したわけではなく、この曲全体についてだが、「後のハリウッド映画に多大な影響を与えた」と言っていたので驚いた。共通したものがあるという点では、私の耳が正しかったことになるが、順序が逆だというわけである。
確かに手元の辞典を再確認すると、この「ローマの松」の作曲と初演は、1924年である。ハリウッド映画が大きく花開き、古代をテーマにした大作が次々に登場するのは、戦後のことであるはずだから、ハリウッドの映画音楽の方がレスピーギよりも後ということになる。
私はムーティー盤とデュトア盤で聴いている。最近はデュトア盤の方が多い(現在、新品は入手困難かも知れない)。
デュトアがN響の音楽監督になった当時、N響でこの曲を演奏したことがあり、N響の音が変った、素晴しく良くなった、と興奮を覚えたのが、ついこの間のような気がする。
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