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2010年12月15日 (水)

N響アワー 2010年12月12日

「生誕150年 マーラー交響曲シリーズ 第8夜」ということで、7番が採り上げられた。

N響がどんなプログラムを組んでいて、過去にはどんなプログラムがあったか、という点について、私はN響アワーを殆ど唯一の情報源としているのだが、この曲を採り上げた演奏会があったかなあ?と思った。記憶になかった。すると、1997年にスヴェトラーノフが演奏したものがあるということで、それが流された。

時間の制約から、第1楽章、第4楽章と第5楽章である。楽章の選択は、まあ妥当な処だろう。

しかし、スヴェトラーノフの演奏だと聞いて、かなりガッカリした。そうなんだろうなあ。N響では、余り演奏されてこなかった、ということでもあるのだろう。
スヴェトラーノフの演奏するロシア音楽は、くどいなりにやはり聴かせる処があり、決して悪いとは思わないのだが、あの演奏スタイルでマーラーが合うかと言うと、聴く前から「合わない」と断言できるというものだ。
スヴェトラーノフに限らず、ロシアの指揮者全般、さらにピアラストにまで拡げても、音楽が粗造りな人が多いと思っていて、繊細さをも要求される音楽には向かないのではないか。

まあ後学のために聴いて置こうと決心して・・・ちょっとした決心が必要だった・・・聴き始めたのだが、まず第1楽章が異様に遅いテンポで始まって度肝を抜かれた。ああ、いやだ、こんな演奏。余程この部分だけで聴くのをやめようか、と思った。
暫く辛抱していると、さすがに第1主題の提示に入るとテンポを上げたので「まあ、聴いてみよう」と決心し直した。しかし、マーラーの特質がよく現れている第2主題は全く歌わない。この第2主題は、第6交響曲の第1楽章第2主題と並んで「アルマの主題」と呼ばれることもあるメロディーである。それにしては、「色気」がなさ過ぎる。
そして、この第2主題が引き延ばされてハープのアルペジオと共に鳴らされる「月光のエピソード」と呼ばれる箇所の、何という味けのなさ。

題名のない音楽館」の「マーラーの交響曲について」の中でこの7番について書いたが、第1楽章は、開始から徐々にテンポと音量を上げてゆき、第1主題になだれ込むように聴かせるべきだと考えている。そんな演奏で聴くと本当にゾクゾクする興奮を覚えるものだ。

第4楽章と第5楽章は、まあまあの出来だった。と言うより、あの熱狂的な第5楽章で、聴衆を興奮させない演奏など不可能かも知れない。スヴェトラーノフは、大音響の部分となると、得意中の得意・・・なのだろう。粗造りな音楽でも不適切ではない、という意味で。
いや、私は全く駄目な第5楽章の演奏に接したことが一度だけある。それそ、私が生前からずっと批判してきた朝比奈隆の演奏だった。今となっては信じられない思いだが、彼は一時マーラーを積極的に演奏していたことがあったのである。(朝比奈隆の演奏については、「朝比奈隆 引き際を失った大家」をご覧ください)

まあ、こんな演奏を聴いたあとでは、どうしても「耳直し」をしたいものだ。「第1楽章は、開始から徐々にテンポと音量を上げてゆき、第1主題になだれ込むように聴かせるべきだと考えている。そんな演奏で聴くと本当にゾクゾクする興奮を覚える」と上に書いたが、これはバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルによる演奏をイメージしている。

未だにこれを超える演奏に出会ったことがない。

さて、「マーラー交響曲シリーズ」も8回目が終り、記憶によると、あとは「第2」「第3」と「大地の歌」が残っているはずである。「第2」は幸い、12月13日付けの記事に書いたように、シュテンツ指揮による2010年11月20日の演奏会のものがあったので十分使えると思うが、「第3」と「大地の歌」はどうするのだろうか。とくに「大地の歌」は本質に迫る演奏が難しい曲だ。

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