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2010年12月13日 (月)

N響第1686回定期 久しぶりにマトモな「復活」

BS2で放送されている「クラシック倶楽部」の2010年12月10日の放送は、マーラーの「復活」。指揮はマルクス・シュテンツ。クリスティアーネ・リボーア(Sp)、アンケ・フォン・ドゥング(Ar)の独唱と東京音楽大学の合唱団。公演はおそらく2010年11月20日(土)、NHKホール。

最近のマーラー演奏の多くがつまらない、という思いは、私のホームページ「題名のない音楽館」内の「マーラーの交響曲について」に縷々書き記した。

このこともあって、余り期待しないで聴き始めたのだが、予想を上回る好演だったと思う。若干テンポの動かし方の激しい箇所もあったが、むしろこれ位がマーラー演奏にはふさわしい。少なくとも、途中で聴き続ける気がしなくなるマーラー演奏に接することが最近は多かったように思うのだが、全くそうしたことはなく、マーラーの音響に浸ることができた。

私は、この指揮者も独唱者も初めてである。指揮者については他の曲も聴いてから判断したいが、アルトはこの1曲だけでブラボーと言いたい。というか、第4楽章「原光」の歌い出しで参ってしまったのである。その楽章の第1節の終りで「Je lieber moecht' Ich in Himmel sein」(私はむしろ天国にいたい)と歌われる箇所では泣いてしまった。この箇所でこんなに揺さぶられたのは初めてかも知れない(トシのせい?)。

第1楽章と第2楽章の間に長い中断があったのは、マーラーの指示である。5分程度空けるように求めている。ほぼ同程度の中断だったが、指揮者が引っ込んでしまうとは思わなかった。知らない人が見聞したら「放送事故か?!」と思ったかも知れない。会場では知らせていたのだろうか。

さて、この曲はマーラーの交響曲の中で私が最も大きな影響を受けた曲のひとつであって(この曲についてはこちら)、だからこそ余計に気になったのだと思うのは、字幕の日本語訳の、余りにもお粗末なことである。
第5楽章で合唱が最初に入る部分だけを例に取ってみると、基の歌詞は、

「Aufersteh'n, Ja aufersteh'n wirst du,mein Staub, nach kurzer Ruh ! 」

LP時代に持っていたレコードの対訳は、思い出しながら書くとこんな訳だった。
「復活する。そう、復活するだろう。 我が埃(ホコリ)よ。短い休息の後に」・・・ひょっとすると「復活せよ」の方が適切か?

それが今回の放送では(正確に書き写さず雰囲気で書くと)
「復活する。そう、私の小さな者よ。あなたは短い安息の後に復活するだろう」

「詩」なのだから、ある程度は原語の語順を活かした訳ができるはずである。また、何と言っても、天上から降りてきている声のはずである。これでは威厳も何もあったものではない。何でもなめらかな口語訳にすればいいというものではない。「ホコリ」を「小さな者」と変える必要があるのだろうか。「ホコリ」で十分分かるのではないか。

今回のこの訳に限らず、何でもベタな口語訳にすれば良いと考えていると思われる対訳をよく見かける。
私はものごとを殊更に難しく言いつのることについては断固拒否するが、だからといって何でも読みやすくすればいいとは思わない。(この辺りの機微は「般若心経漢文読み下しの試み」をご参照頂くとありがたいです)

また、ついでに書いておくが、冒頭、公演日を「おそらく云々」と書いたことについて。

この番組のHPで演奏者等を確認しながらこの記事を書いたのだが、放送された演奏がいつのものか、記載していないのだ。
以前は同じページに公演日も記載してあったのだが、N響定期公演の放送情報を「クラシック倶楽部」に統合してから抜けてしまった。N響のHPから調べることはできるのだが、同じプログラムを2回やっていることが多いので、確定できないのだ。これでは不便で仕方がない。

録画してあるものを再確認すればいいのだが、PCとテレビは別の部屋だし面倒だ。同じページで必要な情報が完結するように作るものだと思う。

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