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2010年11月 5日 (金)

こだわり人物伝 バーンスタイン 残した大きな影響 テキストから

NHK教育TVで水曜22時から放送されていた「こだわり人物伝 愛弟子が語るバーンスタイン」が、10月24日の放送分で終了した。

同じ時間帯で引き続きショパンが取上げられるので、以前10月15日投稿分では「こだわり人物伝 バーンスタイン ショパン」と、二人を並列したタイトルとしたが、とりあえずバーンスタインの4回分は文句なしに素晴しい内容だった。

ただ、その記事でも書いたように、こうした番組の常として、テキストに書いてある内容と番組の中で放送される内容が必ずしも一致しない処が随所にあった。
で、テキストには掲載されているのに、番組の中では触れられなかったことの中で、私としてはどうしても外すことのできない内容があったので、ここに記しておきたい。ある番組専用の、こうしたテキストが、何時までも入手できるとは限らないからである。

番組を全部見終るよりも前に、就寝すべくベッドに入ってテキストに目を通していたときのことである。読み進めて、ある箇所に差し掛かったとき、まさに鳥肌が立つ、という経験をしたのである。
季節が涼しくなりかけていた頃にもあたり、本当に寒くなって、また気持の高揚もあってかっかり目が覚めてしまい、暫くの間寝付くことができなかったのである。本を読んでいてこうした体験をしたことはない。

私の「題名のない音楽館」の中に「音楽番組評」というコーナーがあり、「題名のない音楽会」の司会に佐渡裕が就任するより遙か以前に書いた「音楽番組の貧困」という記事がある。もう10年以上も前の記事だが、古くなっていないことも多いので最近改訂し残してある。

そこに書いたことだが、かつては民放でも、クラシック音楽に軸を置いた音楽番組として、「題名のない音楽会」だけでなく、山本直純がやっていた「オーケストラがやってきた」、そして団伊玖磨(だったと思う)がやっていた「ポップスコンサート(だったと思う)」という3つの番組が鼎立(ていりつ)する状況があった。

そして、日曜日放送の「オーケストラがやってきた」は、比較的長く続き、同じく日曜放送の「題名のない音楽会」とともに、教えられることの多い番組として、私にとって大切な番組だったのである。とくに「題名のない音楽会」は大きな存在だ。

そして、ここからが「テキストに載っているけど番組で触れなかったこと」である。テキストの内容をそのまま書き写す方が、私が衝撃を受けた感じが少しでも伝わりやすいだろうが、著作権の問題があると思うので、省略して簡単に書くと、こうである。

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1961年、バーンスタイン指揮ニューヨークフィルが、黛敏郎の「饗宴」を演奏することになった。作曲した黛敏郎は、その演奏のためアメリカに行っていて、バーンスタインと、副指揮者だった小澤征爾と知り合った。

そのときアメリカで、バーンスタインが制作し放送していた「ヤング・ピープルズ・コンサート」がいいね、という話が盛り上がり、日本でも是非同様の番組を作ろうじゃないか・・・ということになった。

そして、3年後の1964年、その構想によって黛敏郎が始めた番組が「題名のない音楽会」だった。そして小澤征爾は、山本直純と組んで「オーケストラがやってきた」を始めた。

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何と!! 私にとって大切な番組の二つとも、バーンスタインの影響のもとで制作されたものだったというわけである。

そして、1961年に生れた佐渡裕は、これらの番組を見ながら育ち、やがて指揮という仕事に憧れ、指揮者になり、バーンスタインの弟子になった。そして、「題名のない音楽会」の司会者に就任するということにもなったわけだ。

ところで、「題名のない音楽会」では、1年の間で最も注目すべき新人に「出光音楽賞」を授与する、ということを続けてきている。佐渡裕も受賞したことがあり、そのときの映像を、初めて司会を受け継ぐこととなったときに放映した。(「題なし復活万歳」)

で、ここからは佐渡裕著「僕はいかにして指揮者になったのか」で明かされていることだが、当時フランスを中心に活動していて日本では殆ど知られていなかった佐渡を、出光賞選考会に推薦したのは、渡欧中に佐渡の演奏のテープ録音を聴いた岩城宏之だった由である。

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