最近のトラックバック

« 名曲探偵アマデウス 2010年11月4日放送 ショパン「舟歌」 | トップページ | N響アワー 2010年11月7日 続き »

2010年11月11日 (木)

N響アワー 2010年11月7日

11月7日のN響アワーは、10月15日にNHKホールで行われた、ヴェルディの「アイーダ」。時間の関係で抜粋。演奏会形式によるもの。指揮はサンティ。

名演だった。

番組の中で、演奏会形式とするのはサンティなりの拘りがあった由で、曰く、「ヴェルディの作品の中で、初めてシンフォニックに書かれた曲であり、音楽だけで場面が見えてくる。だから、演奏会形式にして、音楽に集中してもらうべきだ」とのことだった。
西村朗が補足して、「オペラで色々な演出が試みられるが、時代を無視した場面設定などをすることにより、音楽とぶつかってしまう場合もある。サンティさんは、そうした風潮に批判的らしい」

よくぞ言った。よくぞ言ってくれた。

かねてから私は、設定されているはずの時代背景を無視し、奇抜さだけを訴求する、奇妙な演出でオペラを遊ばないでもらいたいものだと思っていたのである。
「指環」を、現代に置き換えたり未来のSFみたいな設定にしたり、とくにヴァーグナーで例が多い。

しかし、ヴァーグナーの「指環」などは、舞台設定などなくても音楽だけで十分に場面が見えるほどに音楽が作り込まれている。だから、音楽を聴くだけでも十分なほどで、もし舞台付きで視聴したとき、音楽によって見えてくる場面と、奇妙な演出によって目の前に示される場面が食い違い過ぎたりすると、もの凄いストレスを感じ、見続ける気力を失うのだ。

今はどうなっているのか知らないが、DVDに残された、レヴァイン指揮ニューヨーク・メトのものは、オーソドックスで、ストレスを感じさせない、好感のもてる演出だ。

「アイーダ」の話に戻す。
私はヴェルディのオペラを全て見たわけではないし、ヴェルディについてキッチリと調べたわけではないので確信があったわけではないが、以前から、「アイーダ」は、「リゴレット」「トロヴァトーレ」「椿姫」など以前に作曲されたオペラとは異なる次元に高められた作品ではないかと感じていた。
端的に言うと、「アイーダ」によってヴェルデイはようやくヴァーグナーと同等の位置に立つことができたのではないか、ということである。

ヴェルディのオペラのメロディーには確かに良いものがあるし、音楽も劇的な部分があるが、メロディーについては、後輩のプッチーニの、甘美で、聴く者をとろけさせてしまうほどの魅力はない。
また、劇的な部分があっても、単に力強くグイグイとこちらに向かってくるだけのようなヴェルディの音楽は、軽さも感じさせる。これに対し、ヴァーグナーの音楽は量り知れない深さを持つ。どこか恐ろしい処に引きずりこまれるような感じを受けることさえある。

それが、「アイーダ」では、ヴァーグナーの底知れない感じの深さまではないが、音楽の「つくり」についてはヴァーグナーが指向し続けた手法に近づいたように聴けるのだ。
そう感じていたので、サンティの「初めてシンフォニックに書かれた曲であり、音楽だけで場面が見えてくる。だから、演奏会形式にして、音楽に集中してもらうべきだ」との言は、全く共感できたわけである。

(この稿続く)

« 名曲探偵アマデウス 2010年11月4日放送 ショパン「舟歌」 | トップページ | N響アワー 2010年11月7日 続き »

作曲家、演奏家」カテゴリの記事

作品」カテゴリの記事

コンサート」カテゴリの記事

音楽番組」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: N響アワー 2010年11月7日:

« 名曲探偵アマデウス 2010年11月4日放送 ショパン「舟歌」 | トップページ | N響アワー 2010年11月7日 続き »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

書評 資料室

Amazonアソシエイト

無料ブログはココログ