N響アワー 2010年10月3日 マリナー指揮 ブラームス1番
最近、ブラームスという作曲家の作品からは遠ざかっている。彼の作品の、持って回ってこねくり回した感じがイヤになったためである。
とくに交響曲の中でも第1番がそうだ。余り張り切りすぎたためか、力が入りすぎ、流れが自然でない。ベートーヴェンを思い起こさせる音型が随所に出てきたり、何よりもハ短調で始まりハ長調で終わるという構成がベ゛ートーヴェンの第5などの構成と同じであることから発表されてすぐに「第10」などと賞されたと言うが、所詮ブラームスはベートーヴェンではない。
この日の演奏を聴きながら、つくづくその思いを強くした。
指揮のせいもあるかも知れない。なにぶん、マリナーは大きな規模の曲は必ずしも得手ではないし・・・と思っていたら、ブラームスに関してはマリナーは「直系」らしい。マリナーが指揮で師事したのはピエール・モントゥーで、そのモントゥーはブラームスと一緒に演奏したことがあり、なおかつブラームスを尊敬しその作品をよく演奏したとのことだ。
確かにモントゥー指揮ロンドン交響楽団の「2番」を持っているが、名演だし、どちらかと言うと好きかも知れない、という、私にとっては数少ないブラームス作品の1つとなってしる。
だから、このマリナーによる演奏は、「直系」による演奏ということになるが、私にとっては可もなく不可もないというものでしかなかった。名演だと番組内では讃えていたし、例によって会場から下品なブラボーがかかったが、そんなに良い演奏だっただろうか。
私のベスト盤は、若い頃のベームがベルリンフィルを振った演奏である。これによってこの曲を知ったし、その後もミュンシュ指揮バリ管弦楽団盤など色々な演奏を聴いていた頃があるが、次第にこの曲のイヤミな処が我慢できなくなっていったのである。
マリナーの演奏は、このベーム盤に比べると厳格な雰囲気に欠け、ミュンシュに比べると熱気が圧倒的に足りない。平凡な演奏と言ってよい。曲の最後の盛り上がりはそれなりにあったが、この曲はそのようにできているのだ。その最後の部分で盛り上がらないような演奏があれば、それこそ最悪の演奏ということになる。
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