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2010年10月19日 (火)

N響アワー 2010年10月17日

シューマン生誕200年特集ということで、第1週の今回は、音楽評論の分野におけるシューマンの功績について語られる内容だった。

ショパンをごく初期の作品から「天才だ」と称揚し普及に手を貸し、シューベルトの「ハ長調 ザ・グレイト」を「発見」し、ブラームスの才能を認めて援助してゆく・・・という音楽評論における功績は、クラシックファンなら知っている人も多く、それを改めて振り返るという企画は、それなりに良かった。

しかし、とくにショパンにおいて言えるのだが、ごく初期の作品というのがどんな曲だったかが分からないと、早期に才能を見いだしたシューマンの凄さは伝わってこない。

今回ショパンの作品として例示し演奏されたのはピアノ協奏曲第1番であり、これではショパンのオーケストレーションも、ヘタはヘタなりにまとまりを見せ始めた作品だから、「まあ、そうかも知れない」ということになってしまう。番組の中で曲名だけ紹介されていた「初期の作品」というのは、私は聴いたことがないはずで、察するに、ピアノ協奏曲第2番とか「アンデンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」レベルの、極めてオームストラパートの薄い・・・要は、ヘタということ・・・作品ではないだろうか。そのレベルで「天才」と認めたのであれば、シューマンの凄さが一層際立つというものである。

同様なことはブラームスにも言えて、ショパンと違って「どの作品」とは言えないのであれば、せめて初期の作品から「こんな曲を聴いて才能を見いだしたのではないか」といった進め方をすべきだったのではないだろうか。例示し演奏されたのは交響曲第3番の第3楽章であり、これでは円熟期の作品であって、ショパンと同様に、「まあ、そうかも知れない」ということになってしまう。

ここで番組の内容とは関係ない話になるが、ブラームスの、ここで演奏された交響曲第3番の、とくにこの第3楽章というのは、私にとって、どうにも我慢ならないほど嫌いな音楽だということがハッキリしてきた。交響曲第3番という曲自体、以前から親しめなかったし、さほど重要な曲とは思えなかったのだが、どうやら「嫌い」だということがハッキリしてきたようだ。多分、これは誰が振ったとしても同じだ。

これに対し、シューベルトのハ長調交響曲はブムロシュテットの指揮で、これは以前、このN響アワーだったか別の番組だったか失念いたが、そのときも「何じゃこれは」と思った演奏で、やたらスピード感のある奇演・怪演だ。シューベルトのこの曲のイメージをこれほどにも破壊しきった演奏はないだろう。これは、例示した演奏が悪かったということだ。

ちなみに、私か未だにベストと考えているのは、レヴァイン盤である。発売当時大変高い評価を得た演奏であり、私もこの演奏によってようやくこの曲の真価が分かったのだ。尚、当時は「9番」とされていた。

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