メータ指揮N響の「巨人」
2010年9月12日の「N響アワー」は、マーラー交響曲シリーズ第5夜として、第1番「巨人」が取り上げられた。マーラーの交響曲の中では短い方なので全曲が放送時間内に収まったので、それなりに「聴いた」感があった。
驚いたのは、ズビン・メータが1回だけN響を振ったことがあったとかで、そのときの演奏が放送されたことである。1996年11月8日、サントリーホールでの公演。
私はマーラーの演奏には「毒」が必要だと思っていて(「マーラーの交響曲について」へ)、メータで改めて聴いてみて、どれほどの「毒」が含まれているか、「毒見?」をしながら聴いた。
結論として、毒は余りなかった。が、それはそれとして結構いい演奏だった。テンポや間合いの取り方もうまい。それなりに「熱狂」もあった。
西村朗が「N響演奏史上に残る名演」と賞賛していたのも分からないではない。
N響もそれなりに頑張っていた。
が、しかし、ちょっと響きが粗かったのではないだろうか。
1996年11月というと、デュトアが常任に就任した直後かと思うが、まだ、本格的な「響きの改革」に取り組めてはいなかったのではないだろう。もっとハッキリ言うと、ヘタなのだ。
ちなみに、メータが手兵のイスラエル・フィルを振った演奏、またはロス・フィル時代のものを聴いてみたらよい。現在ロス・フィル時代のものは入手困難なようだが、当時レコードで聴いたことがあり、やはり「毒」の程度は少ないが、それなりに良かったという記憶がある。
手兵たるオーケストラに比べると、やはりN響の響きには満足できないものがある。
デュトアが音楽監督になるのは1996年。以後2003年に退任するまでの間、N響を改造し、「超一流」とはいかないにしても、「1.5流」の程度にまでは到達したオーケストラに育てていってくれたのである。
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