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2010年9月21日 (火)

秋山和慶 広響 シベリウス2番 何たる愚演!

いったい、どうしたらこんなにつまらない演奏ができるのだろうか。

2010年9月17日(金)、BS2の「クラシック倶楽部」で、広島交響楽団を秋山和慶が指揮したのを聴いたとき、まっさきに思ったことである。

2010年5月14日(金)に広島市文化交流会館で行われた第299回定期の録画であった。
まず2曲、余り聴いたことのない曲が演奏され、最後がシベリウスの2番だった。録画で視聴しているので、余り聴いたことのない曲は飛ばして、シベリウスだけを聴いたのである。

シベリウスの交響曲は、私にはまだよく分からない処がある。とくに、4番などは何がいいのか何度聴いてもサッパリ分からない。5番は結構いいと思うが、その終わり方・・・折角盛り上がっていった処でバサッと断ち切るような終り方・・・は、未だにシックリこない。7番もいいが、聴いたあとに充実した気持ちが残るかというと、さほどでもない。

しかし、1番は好きだし、大好きといってもよい。
そして、2番ともなれば、シベリウスの交響曲の中では最も人気があり、演奏される機会も多いはずだ。3番以降の曲とは異なり、聴いているうちに何か凄く熱いものを感じさせてくれる曲である。

とくに、第3楽章から第4楽章への移行部は筆舌に尽くしがたいもので、地の底から沸き上がってくるようなエネルギーを次第に貯めてゆき、遂に第4楽章の第1主題となって一旦解放される。そして、その第4楽章の第1主題は、階名でいうと「ドレミシドレド」という、メロディーとはとても呼べない単純な音型であるのに、聴く者を感動させずにはおかない。

そして、別の主題とともに静かになったり少し賑やかになったりしながら展開するうちに、再度次第にエネルギーを貯えてゆき、そのエネルギーは巨大なものとなってゆき、終結近くで大音響かつ充実した響きとして結実し、大きな解放感を与えてくれる。

私は、この曲はこんなふうに聴いてきた。3番以降とは少し違う要素、つまり、聴く者に熱いものを感じさせ、遂には熱狂の渦に巻き込んでゆくという要素が絶対にある曲だと思っている。

しかるに、この、秋山和慶指揮広響の演奏は、まったくそんなものを味わうことのできない演奏だった。余りにもつまらない。何にも感じさせない。このつまらなさは、逆に見事だと言ってよいほどだ。
同じ曲を同志社大学のオケが演奏したものを録画で視聴したことがある。もちろんアマのオケとプロのオケの違いはあり、オケは間違いなくヘタだったのだが、この2番の魅力を十二分に感じさせる演奏で、結構いいと思った。その、アマの演奏の方が、よっぽど「いいシベリウスを聴けた」と思わせるものだった。

広響の本来の実力がどの程度のものかは知らないが、私は秋山和慶という指揮者のせいだと思う。
秋山和慶という指揮者の演奏がつまらないということは、私の中では既に結論が出ている。これは昨年、N響の大阪公演を聴いたとき思い始め、そのあとN響アワー(2009年11月15日放送)の「大河の調べ とわに」での演奏を聴いて確信するに至ったのだ。(関連記事はこちら)

バンクーバー響の常任を務めたあと、桂冠指揮者として残り、国内でも各地のオケの音楽監督や音楽アドバイザーなどを務めているので、まあ「大家」であるかどうかは分からないが、少なくとも「重鎮」とされているのであろうことは間違いない。
しかし、「大家」ないしは「重鎮」とされてしまうと、その人の演奏には誰も口出しができなくなってしまう。その演奏が、誰が聴いても高い水準のものであれば問題は少ないが、「どうしようもない演奏なのに、熱狂的なファンが『それで良し』としたり、・・・実際、曲が終わるとすぐに、「ギャー」というのに近い「ブラボー」の声が掛かったのである・・・楽団員からは尊敬され」ることによって続いてゆくというのは、楽団にとっても、その楽団の聴衆にとっても不幸なことだ。

朝比奈隆が大フィルに君臨していた間の、そうした問題点を、まだ健在だった頃に書いたことがあり、その後、私の考えが正しかったことを裏付けるような本も出た。(「朝比奈隆 引き際を失った大家」)

秋山和慶も、どうも、朝日奈的な処に行きつつあるのではないだろうか。秋山和慶の指揮を見ているうちに、「デジャブ」の感じになっていった。そう、まさに朝比奈の演奏がこんなだった。テンポ感覚も、朝比奈とそっくりな感じさえしたのである。

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