広上淳一のプロコフィエフ N響アワー2010年2月21日 続き
(前稿から続く)
広上の演奏はそれなりに面白かったのだが、最悪の選択をしてしまった。彼がどのように考えて選んだのか定かでないが、改訂版を使用したことである。
これも「ショスタコーヴィチ第15番」の稿に書いたのだが、この曲の初版は、最終楽章が、静かに消えて行くように終わっていた。しかし、初演後、「当局」から終わり方が気に入らないという意向を示され、華々しく終わるコーダを付け足した改訂版を出したというエピソードが伝わっているのである。
華々しいコーダがついているのと初版のままであるのとは、曲全体の趣きが全く異なったものとなってしまう。この曲が愚作だとしても、静かに終わるのであれば、そこはかとない後味が残って全体が救われるのだが、華々しく終わると、非常に薄っぺらい印象が残るだけで、「愚作の、つまらない終わり方」となってしまうのだ。
こんな選択をするということで、広上に対する私の評価は保留せざるを得なくなった。
静かに終わる初版を採用した演奏のCDを参考までに挙げておきます。
交響曲全集のジャケットを掲載したが、現在入手しづらくなっているようだ。これも現在入手しづらいようだが第2交響曲とのカップリング盤もある。驚愕・恐怖の音が轟く第2と、第7の落差に唖然とする盤である。
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