最近のトラックバック

« バルトークのオケ・コン なぜ「協奏曲」なのか、見たら分かった | トップページ | R・シュトラウスの「ドン・キホーテ」 »

2010年1月11日 (月)

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番

2010年1月10日(日)の「N協アワー」で、R・シュトラウスの「ドン・キホーテ」全曲と、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番から第1楽章が放送された。共に2009年12月5日のN響第1661回定期、デュトア指揮による演奏である。

N響定期はBS2で全曲放送される番組があるので、既にどちらも全曲録画済なのだが、「ドン・キホーテ」は余り聴く気がせず、N響アワーで初めて聴いた。その感想はさておき、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番について、西村朗がどのような解説をするかが楽しみだった。

曰く、「今の処は余り演奏される機会が多い方ではない」「面白い曲」、ピアノのキリル・ゲルシュタインについては、「独特の感性を持った人」ということであった。同感である。

このブログの兄弟ページというか元ページとしてアップしている「題名のない音楽館」にショスタコーヴィチの作品論と「この曲大好き」というサブページを作っている。「この曲大好き」の次の記事としてショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番を書こうかと思案していた処だった。この曲については、既にショスタコーヴィチの作品論の中で書いているので、余り同じような内容となるのでは芸がないと思い、どう切り口を変えるか、といったことで思案していたのである。

この曲、こうしたクラシック音楽の放送の中でも、私の記憶する限り、これまで全く取り上げられなかったはずだ。1番はときどき放送されるのだが、なぜ2番は殆どその機会がないのか。私にとって、以前からの疑問である。

「題名のない音楽館」の中のショスタコーヴィチ作品論にも書いたが、この曲は作曲者が息子のマキシムに贈った曲とされており、冒頭の主題が余りにも単純明快なものであること、第3楽章でハノンの引用があることなどから、実は私も「親バカの曲」と考えて、余り評価していなかった時期が長かった。しかし、何度か聴いているうちに、どうもそれだけではなさそうだと思うようになった。

それにしても、こんなに面白い曲だったのか!!??

ピアノのゲルシュタインが独特の感性を持っているというのは前述の西村朗の言をまつまでもなく私も即座に感じたことだが、演奏技法の面でも、結構難しい部分があるのではないだろうか。ピアノを専門的に習ったことはないので確証はないが、どうも、冒頭の単純なメメロディーや第3楽章のハノンの引用などによって紛らわされていたのかも知れない。何しろ一筋縄ではゆかない作曲者なのだから。テレビの良い処で、手元をアップで見せるので、それを実感した。

また、第1楽章のクライマックス部分など、ピアノが強烈な音量でオケと張り合う箇所も、CDでは分かりにくい。あのように凄いことになっているとは。。。クライマックスでオケとピアノが大音量で張り合うのはラフマニノフなども共通したやり方だが、方法は全く異なる。

ゲルシュタインの演奏は見あたらなかったので、ブロンフマンの演奏によるCDを挙げておきます。まだ聴いたことがない人は、だまされたと思って聴いてみてください。

« バルトークのオケ・コン なぜ「協奏曲」なのか、見たら分かった | トップページ | R・シュトラウスの「ドン・キホーテ」 »

作曲家、演奏家」カテゴリの記事

作品」カテゴリの記事

音楽番組」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番:

« バルトークのオケ・コン なぜ「協奏曲」なのか、見たら分かった | トップページ | R・シュトラウスの「ドン・キホーテ」 »

2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

書評 資料室

Amazonアソシエイト

無料ブログはココログ