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2009年4月28日 (火)

ルイジ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団大阪公演

2009年4月26日(日)。ザ・シンフォニーホール。

思いもかけず、聴きに行くことができました。公演日の直前に、券を購入していた娘が、「セキが出て迷惑かけるので、代わりに行って!」と言うので、タダでもらって。奈良はこうした点では間違いなくイナカで、だからといって大阪まで聴きに出てゆくのも結構面倒だし、ここの処、ずっとナマの演奏に接していない。何年ぶりだろう。

ルイージは最近の若手(といっても今年50歳になるのですが、指揮者としては若手と言えるでしょう)の中では珍しく正統的な、しかも情熱的な演奏をするのをテレビなどで見ていて、一度ナマで聴いてみたいと注目していた。

席は1階G列21番。座ってみると、ルイージの真後ろで、しかもGだから前から数えて7列め。たいして多いとは言えないナマ演奏体験の中ではあるが、こんなに間近で外来オーケストラを聴いたことはなかった。ドエラい席を取っていたものだ。

プログラムはオールR・シュトラウスで、「ドン・ファン」「ティル」「英雄の生涯」。そして、アンコールとしてウェーバーの「オベロン序曲」。このアンコールの選曲は、「このオーケストラはウェーバーの頃からやってたんですよ」という挨拶みたいなものだろう。

いやあ、凄かった。やっぱり、タマにはできるだけナマを聴くものです。分かってはいるのですが、先立つものが・・・

とにかく、R・シュトラウスの大編成の曲がスグ近くで鳴るのだから、それだけで十分に圧倒された。上に書いた、正統的かつ情熱的な指揮と相まって、安心して音の洪水に浸ることができた。近すぎて、楽器の音が直接飛んでくる感じなので、各セクションのバランスとか音の混じり合い方などは分かりづらかったが、それでも改めてナマで聴くと、R・シュトラウスのオーケストレーションの凄さがよく分かる。
初期の「ドン・ファン」などはワーグナーに似た響きの処もあるが、作品を追うごとにどんどん磨きがかかっていっていることも、音量を増してゆくとき、ラヴェルなどとは異なる方法ではあるが音色の変化を伴っていることなども、再認識させられた。

そして、アンコールのウェーバーが鳴り出すと、R・シュトラウスほどにはオーケストレーションが分厚くないためか、「響きの混じり合い」も少しは味わうことができた。やはり素晴しいオーケストラであり、素晴しい指揮者だ。

当日同じ会場におられた「Rosamunde」さんが、「空席がそこそこ目立ちましたが、割れんばかりの拍手でしたし。それにしてもハードスケジュールなツアーですね……。」と書いておられ、「痛快!エブリデイ クラシック」さんも「素晴らしい演奏会であったにもかかわらず、全体の約3割程の座席が埋まらなかったこと、これが不満の理由であり、とても残念でなりません。」と書いておられる。

RosamundeさんのURLはhttp://d.hatena.ne.jp/aya_m/20090427/1240833968
痛快!エブリデイ クラシックさんのURLはhttp://plaza.rakuten.co.jp/everydayclassic/diary/200904260001/9cea4/

当日券が売られていたので、空席があるのかと少し驚いたが、やはり少し空席が目立った。ひとつには選曲の問題があるかも知れない。だって、R・シュトラウスですからね。ドイツ人の演奏家はR・シュトラウスが好きなのかも知れないが、日本人で好きな人の広がりが、どれほどあるのだろう。しかも今回の大阪公演では、オルガンの響きが楽しみな「ツァラトゥストラ」や雄大な自然に思いを馳せながら聴ける「アルプス交響曲」が含まれていなかった。他の場所では含まれているようだったが。
余りポピュラリティにばかり配慮するのも問題かとは思うが、そりゃあベートーヴェンやブラームスの方がお客は入るでしょうし。

今回の来日公演で凄まじいスケジュールの中、よく大阪の公演が実現できたものだ。現に、翌日には名古屋での演奏会が予定されていた。次回、また大阪に来ることがあるならば、そんなプログラムも聴いて見たいものだ。得意のレパートリーなのだから。

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