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2014年4月15日 (火)

筆記具放浪記(7) 万年筆編 パイロット

パーカーの万年筆に手を焼くのに半ば嫌気が差し、ここはやはり国内メーカーのものを、ということで、何十年かぶりに手を出すことにした。

パーカーでインクの色を変えたり、穴を塞いだり、またボールペンやシャーペンでも並行してあれこれ物色したり検討したりしていた中でのことであり、それぞれの段階で「こうだから、こうして見よう」「これはAという性質のようだから、Bの性格らしいあれを買ってみよう」というのがあったのだが、煩雑になるので、純然と買った順に記していく。

まず、コクーンというタイプ。安さで選んだ。

安いだけのことはあった。手に持ったときの感じがいかにもチャッちいのだ。
何よりも頂けないのは、軸のペン側と軸本体の部分の段差が大きすぎて、しかも突部があり、指が痛くて仕方ないことだった。ペンを持つときに指の力が入る処て、持ち方にもよるのだろうが、私には我慢できなかった。
しかし、書き味は中々のもの。

そこで、もう少しましなものを、と考えて次の2本を続けて買った。
中細字と中字だが、ペン先のサイズで少し迷いがあったからだ。

しかし、買う前に写真で見ていたときも感じたことだが、余りにも古くさいデザインだ。ハッキリ、ダサい。祖父が使っていた万年筆が、やはりパイロットの、こんな感じだった。
この、変わらないこと自体がいいのだ、という考え方もあるが、クロスのように機能美を極めた結果として変わらないというのとは違う。もう少し何とかならんのか、と思わせる。
また、手に持ったときの感触。やっぱり安っぽいのだ。
書き味は可もなく不可もない。中々のものだと言えば中々のものではある。中細字も中字も似たもの。

しかし、手に持ったときの悦びみたいな感じは全くない。

そこで、書き味はそのままにもう少しグレードアップしたいものを・・・と考え、このシリーズの上位機種を求めた。いきなり価格が跳ね上がってしまうのだが、それだけに、期待も大きく持って。

届いて開けていくときのワクワク感は、それなりの価格のものを買ったときのそれで、期待を持ちながらで、久しぶりに味わう感覚だった。
しかし、開けて手に持った瞬間、期待は失望に変わった。

上位機種とは言いながら、この上なく安っぽいのだ。ペン先がやたら大きく、軸も太く、軽く、何でこんなに高いのか全く意味不明。書き味も、上掲の2機種の方がよほどましだ。
手にとったときの悦びみたいなものも、全くない。
今の処今年最悪の失敗買い物となってしまった。

百貨店などで試してみることなく半ばカンで買うこととなるネット購入の危うさを感じたものともなった。

けど、パーカーでこんなことはない。乾燥対策で世話が焼けるが、そこそこの重量も手に馴染む感じも、デザインも、手に取って眺めているだけで、大きな悦びがわき上がってくる。
まあ、パーカーも、ボールペンやシャーペンでは失敗買い物もしたが、それは、それほど価格の高いものではないから、ある意味仕方のないことだと許せる。
乾燥対策さえ厭わないのであれば、前の記事で触れた2機種などは、まず間違いないはずだ。

処で、パイロットの万年筆というと、有名どころとして「エリート」と「キャップレス」の2系統がある。「エリート」は軸の短いシリーズで、軸の短いことに余り意味を感じないので買うつもりはそもそもなかったのだが、「キャップレス」は合理的な理由があると思っていて、関心はあった。
キャップの付け外しの際、キャップの内側にペンが接触し、インクで汚れ、書くときに、そのキャップを軸に取り付けるので、インクの汚れが軸に残る。それに手が触れることで、手が汚れるというわけだ。

また、書き始めるときに両手を使わなくてよい、というのも大きな魅力である。

で、このシリーズ、ピンからキリまで揃っているが、下のものを求めた。

これは期待以上だった。
適度な重みもあり、手になじむ感じも良い。デザインもさほど古くさくない。
クリップ側を持って書くので、持ったときに指が当たるのが気になると言えば気になる。けど、慣れてしまえばどうと言うことはない。また、ノック部が異様に長く飛び出ているのも気にはなる。

しかし、総合的に見て、デザインでも財貨感でも、パイロットの代表選手としていい処に行っていると考える。

そして、察する処、ラインアップの多さから見ても、パイロットは万年筆として「キャップレス」がイチ押しなのであって、他のシリーズには余り力が入っていないのではないか、ということだ。でないと、上掲のカスタムシリーズの(とくに上位機種の)余りのみすぼらしさとかデザインの古さといったものを放置しておくことが理解できない。あれは、捨て置かれたシリーズなのだ。

ここまでの結論として、万年筆は、実用上はパイロット。パイロットのキャップレス。キャップレスという形状に抵抗があるならば、カスタム74。
しかし、もっともっと持った時の悦びみたいなものを感じたいのであれば、世話が焼けることを覚悟していいのであれば、パーカーのソネットシリーズから選ぶといいだろう。

尚、ペン先の太さなのだが、ボールペンも含めて、国内メーカーのM(中字)は、海外メーカーではFとなる傾向がある。海外メーカーのが太めなのである。ここは注意したい。

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