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2011年5月 8日 (日)

阪急電車 (7)

(前稿からの続き)

さて、阪急電車と阪神電車か長い間ライバル意識が強いとされてきていた。そもそも先行開業していた「阪神電車」に対抗して「阪神急行電鉄」と名付けたのが「阪急」と称されるようになったわけで、「ウチは阪神より速い」とは、喧嘩を売っているのと同じだ。

戦前戦中期、軍の要請もあり東西で色々な私鉄の統合、国鉄への吸収などが行われ、阪神と阪急も一旦交渉のテーブルには着いたのだが、遂に合併には至らず、それでも今津駅で阪急今津線と阪神電車が直通できるよう、連絡線は設置。
それでも、その痕跡は、少なくとも1960年代までは残っていた。

状況が大きく変ったのは、2005年のことである。
村上ファンドが突如阪神電鉄の筆頭株主となったことを公表し、阪神タイガーズの株式上場や、京阪電車との経営統合などを株主提案するに至った。
京阪電車との統合は、JR、阪急電車と並んで、もう1本の神戸~大阪~、京都の路線を構築し、競争してゆく中でシッカリした経営体制を築く目的がある。村上ファンドの手法に問題はあっても、経営の観点からはスジの通ったものであった。

しかし、阪神タイガーズファンをはじめ、経営陣・株主・沿線住民の反発が強く、経営陣は京阪以外の私鉄に合併を打診。

一案として、近鉄にも打診したことがあったはずだ。2009年3月には阪神が難波まで延伸し、近鉄と相互直通運転を行うことになっていたから、これも経営の観点からはスジが通っている。

紆余曲折の結果、阪急が「ホワイトナイト」として名乗りを挙げることとなり、村上ファンドの持ち株も含めてTOBを実施。「阪急HD」が筆頭株主となり、その元で阪急と阪神が統合されることとなった。
これには驚いた。阪急と阪神がライバル意識が強い・・・ということは両方の沿線住民の間では結構知られた話だったので、驚いたのは私だけではなかったはずだ。
戦争中、軍の力でもできなかった両者の経営統合が、1人の乗っ取り屋の力で可能になったのだから、一層驚いた。

そして思ったのは、今津駅における連絡線が残っていたら・・・ということである。
阪神の今津駅も阪急の今津駅も高架化されたが、かつてのように阪急の今津駅が阪神の今津駅に寄り添った形ではなく、完全に離れた駅となってしまった。
その気になれば延長部を作れるほどの短い距離なのだが、コストに見合うだけの効果を上げるのは、もはや難しいと判断しているのだろう。

しかし、もし今津駅の連絡線が残っていて、尚かつ西宮北口の今津線の南北分断がなければ、阪神沿線から宝塚方面に直通する電車の運行も可能となったわけである。
さらに言うと、難波で近鉄と阪神の相互乗り入れが2009年に始まったとき、近鉄難波発、阪神尼崎、阪神今津経由、阪急宝塚行き、などという電車の運行もできたかも知れない。

さて、鉄道ファンを自認している私だが、カメラを常に持ち歩く習慣はない。とくに学生時代ともなれば、そもそもカメラだけでなくフィルムも高価なもので、カシャカシャ撮りまくる金銭的余裕などない。
それで残念に思っているのは、ここまでに述べてきた各路線の痕跡や当時の状況をカメラに収めたものが殆どないことである。

阪急西宮北口の平面交差の写真だけは残しているので、将来ご紹介する機会もあるが、今津駅のおける連絡線の痕跡、阪神武庫川駅から北に延びて国鉄まで繋がっていた路線跡など、何れも目にはハッキリ焼き付いているのだが、お見せできるものがない。

さらに言うと、近鉄難波発、京阪三条行きという電車が1970年代まであり、京阪三条駅に近鉄の電車が停まっている光景も覚えている。京阪と近鉄の丹波橋で相互乗り入れが行われていたためだ。これも軍の意向で接続線を作ったのが始まりらしい。
その連絡線の痕跡も、かなり後まで残っていたのだが、京阪三条駅に近鉄電車が停まっている情景とともに、カメラに収めたものはない。

せめて、僅かに残っている古い情景を、折を見て「題名のない鉄道館」にアップする予定で、その中に「鉄道と情景の記録」のコーナーを設けたのだが、中々作業ができないでいる。

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