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2010年11月24日 (水)

五珠のそろばん(3)

(前稿から続く)

「十進法は、手または足の指に由来する」というのはどうやら間違いで、少なくともアラビア数字で十になったら一つ桁または位が増える書き方は、人工的なものであるはずだ、ということを述べてきた。

さて、こうした数字を、漢数字で表記するとどうなるか。
例えば、「十」の次、「11」をどう書くか。

「一一」と書くこともあるだろう。しかしこれは、アラビア数字の書き方に影響されたものであって、本来、漢数字で書くときの方法としては後になって取入れられたものである。

本来は「十一」と書く。これは、「十」までは一つの文字で表し、次に「一」増えたとき初めて文字が一つ加わって二文字になる。これこそ、指の数に由来するものと見るべつではないだろうか。「十」を「10」と記載する方法を「十進法」と言い習わしているので、この漢数字表記は「十一進法」とでも称すべきものとなる。

漢数字も十進法だと思い込んでいる人も多いと思う。そして、ひょっとして、「だから日本における数字の表記と欧米の数字表記は同じで、すぐ置き換えるこどできたため、明治維新以降の、欧米文化に速く追いつくのに功を奏した」と考えているとすれば、それはトンデモ理論に他ならない。

漢数字表記は、十進法ではない。「十一進法」なのである。
最近では「11」を「十一」と書かず「一一」と書くことの方が増えたため、誤解しているのだ。

何月が「大の月」(日数が31日まである月)で、何月が「小の月」(日数が30日またはそれ以下の月)であるか、ということを覚えるのに、「にしむくさむらい が、小の月」と習ったことはないだろうか。これも、「二、四、六、九、十一」で、「十一」を縦書きにすると「兵士」の「士」に見えるからそうした覚え方が成立するわけで、「一一」と書いてしまうと、全く意味を為さないことになる。

まあしかし、新聞記事などを目にしても、「一一」「一二」などと書く方が増えてきているような気がする。アラビア数字に対応していて却って読みやすいのかも知れない。私も、こんなことを書いてはいるが、「十一」などと書くよりも「一一」と書く方が多い。縦書きで「一一」と書くと「二」と紛らわしく見えると思ったときに「十一」と書くくらいのものである。

(この稿さらに続く)

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